episode13 人生まだ最悪な日はあるけど、やっぱり推しに救われる。 ページ3
「はぁぁ……」
つい先日、何があっても暫く笑っていられるって私が言ったはずなのに、目の前にある”結婚式の招待状”を睨み付けて笑顔を貼り付けた。
ヒクヒクする頬を無理矢理押し上げていたけど、手を離すとスンと落ちる。笑ってられるか。
「結婚するんだ……」
知ってたけどさ。なんせ結婚するからって私振られたわけだし。
それにしても早かった。
振られてから半年くらい? たったそれだけでアイツは幸せになろうとしてる。あっさりと私を捨て奈落の底に落としたくせに。
「いやいやもう終わったじゃない。今の私はそのおかげで佐久間君っていう最高の推しを見つけたじゃない!」
だから気にしない……なんて出来ない。それはそれなんだ。佐久間君との事は今でも夢のような出来事に感じていて、こっちこそは現実。
招待状をこのまま破り捨ててやりたいけれど、そうも出来ないのが付き合いというもの。同じ会社、しかも同じ部署にいて、私はアイツの同僚でもあり彼女の先輩でもある。アイツは兎も角、彼女は私達の関係は知らないわけで、なのに行かないってなるとそれなりの理由が必要。……ああ、それを考えることすら面倒。
「仕方ない……」
私は出席に丸をした。
・
結婚式まで仕事も忙しかったせいもあって、憂鬱な気分を味わうことはあまりなかったけれど、忙しいせいで佐久間君が足りない。
推し活時間がない。
佐久間君と最後に連絡取ったのはいつだったかな? と携帯を見れば三日ほど前で、地方ロケに行ってて美味しいものを食べたって報告で終わっている。私が返信していない。余裕がなかったんだな。
元気ですか? と送ろうとしてやめた。……何となく結婚式が終わってからにしよう。
結婚式では上手くやったと思う。ちゃんと笑えていたと思うし、後輩にもおめでとうって伝えた。
「とっても綺麗よ。幸せになってね」
「ありがとうございます!」
不思議と彼女が憎いとかはないし、心から幸せになってと思えた。でもとても虚しい。
本当なら彼の隣で真っ白なウエディングドレスを着て世界一幸せだよって笑顔で、皆に祝福されていたのは私だったのに。あの場に居たのは”私だった”のに。
「いくよー!! せーの!!」
「…………っ!?」
まさかのブーケトスで私が取ってしまった。
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ゆきんこ(プロフ) - にかさん» コメントありがとうございます😊 私も夢小説は家で読むのがいいと思います🤭 楽しんでもらえたようで良かったです。💗の💗はもう聞いたら腹筋以外の想像してしまうので私は重症です😂 最後までありがとうございました! (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます😊 ぎゅんぎゅんしてもらえて嬉しいです🤭 ゆゆさんのお時間ある時にまた読んでもらえたら幸いです😌 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - いくさん» コメントありがとうございます😊 猫ちゃん目線は私が絶対書きたかったものなので楽しんでもらえて良かったです😊ありがとうございました! (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» そして桜短冊さんの気持ちとても伝わっております😌ありがとうございます😊 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» 桜短冊さん、番外編までお読み下さりありがとうございました😊 ページ数の都合でかなり簡単に書いた番外編でしたが楽しんでもらえて嬉しいです! 猫ちゃん達の目線は番外編書く前から書きたいと思ってたんです。書けて良かったです🤭 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2023年7月11日 22時