＿＿ ページ11
「…………、」
バッと身体を起こして慌てて部屋を飛び出した。ガチャンとドアが閉まって、膝に手を付き「はー？ えー？ なにやってんの俺ー？！」と声にならない声で叫んだ。
手の甲に熱を持った唇を押し付けて、さ迷う視線を出てきたばかりの部屋へやる。バレてない？ いやだからってダメなんだけど。
こんな風に自分を抑えられなかったのは、まだ俺が人を好きになれていた時以来で、そうな風にドキドキ苦しいのも久しぶりすぎて感情が忙しい。
……とりあえず鍵を閉めてポストに入れておこう。カタンとポストの下に鍵が当たった音に少しだけ正気が戻って、「ごめんな」と本人には言えない謝罪をドアに向かって言った。
・
翌日、俺は一睡もできずに仕事に向かい、会う奴ら皆に「酷い顔」と言われた。
「またゲームしてたの？」
ドサッと隣に座ってきた蓮が寝不足の俺に栄養ドリンクをくれる。これあんま美味くないんよなぁ、と思いつつせっかくの好意は受け取りゴクゴクと一気飲み。
「いんや、そういうわけじゃねぇ……」
「ふぅん。ショートスリーパーな佐久間君でもクマ作ってくんだから相当だね」
「…………はは、」
そうなんだよ。相当なことが起こってんだよ訊いてくれよ！ って今にも言いたいけど、なんかさっきから楽屋の入口付近でイチャイチャしてる奴等見てるとそれどころじゃなくなってくる。
あべちゃんとその彼女(ADさん)なんだけど、この後のスケジュール確認でやってきた彼女を捕まえて構ってるあべちゃん。俺らからしたら見慣れた光景でも彼女は仕事中だから困ってるのも分かってて、「おいあべちゃん仕事さしたれ」とふっかが間に入ろうものなら獲物を捕らえた獣のように鋭い視線をふっかに向けるあべちゃん。あのあべちゃんがね、凄い顔してる。テレビでは見せられないような。
「ほんとあべちゃんって彼女大好きだなぁ」
「命より大事って言いかねねぇな」
「はっ、まあそれは俺も同じだけどね。あーあ、俺も早く会いてぇな」
……っとに、俺の周りは浮かれた奴等ばっかだな。なんて前の俺なら思って適当に会話を流し漫画とか読んでたんだけど、「……ん、会いたいかも」なんてついうっかり漏らしちゃったもんだから、「えっ！？」って、凄い形相した蓮が「どうした佐久間君！」と俺の肩を掴んで揺さぶった。
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ゆきんこ(プロフ) - にかさん» コメントありがとうございます😊 私も夢小説は家で読むのがいいと思います🤭 楽しんでもらえたようで良かったです。💗の💗はもう聞いたら腹筋以外の想像してしまうので私は重症です😂 最後までありがとうございました！ (11月6日 15時) (
レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます😊 ぎゅんぎゅんしてもらえて嬉しいです🤭 ゆゆさんのお時間ある時にまた読んでもらえたら幸いです😌 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - いくさん» コメントありがとうございます😊 猫ちゃん目線は私が絶対書きたかったものなので楽しんでもらえて良かったです😊ありがとうございました！ (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» そして桜短冊さんの気持ちとても伝わっております😌ありがとうございます😊 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» 桜短冊さん、番外編までお読み下さりありがとうございました😊 ページ数の都合でかなり簡単に書いた番外編でしたが楽しんでもらえて嬉しいです！ 猫ちゃん達の目線は番外編書く前から書きたいと思ってたんです。書けて良かったです🤭 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2023年7月11日 22時
