ｴﾋﾟﾛｰｸﾞ ページ1
横浜─
16歳。高校1年生。
母の様子が最近可笑しい気がする。
私を避けたり、無視をしたり何処か余所々々しい。
「ねえ、お母─」
ばんっ。
吃驚した。また殴って来るのか。目を瞑った。
でも一向に殴って来る気配がしなかった。
「あんた、この家から出て行きなさい」
何で。何かしたか？最近はテストで80点以上取らないだけで殴られたから、猛勉強している。何か不満があったのだろうか。
「何で？何かしたかな私。勉強も頑張ってるし…」
「いいから出て行きなさいっ」
パチん。
いい音がした。平手打ちされたのだろう。出ていけと何度か言われた事はあるが、ここまで怒った事は無かった。出ていけと言われてもどこに行けばいい。行く宛がない。
「わかった」
荷物を纏めよう。どこに行こうかな。
時刻は夜中の23時を示している。
こんな時間に高校生が1人で歩いていたら、警察に補導されるに決まっている。そんな事、私に関係ないのだけど。
「じゃあね。お母さん」
「あんたの顔なんてもう二度と見たくない！」
大丈夫だよ。帰ってくる予定なんて無いから。
大きなキャリーバッグに荷物を詰め、家の玄関を開ける。
取り敢えず横浜市内を歩く。この時間でもこんなに人が多いのか。彼氏と歩いた事があるのは昼間だったから夜中の横浜市内は新鮮だった。
あの人達は帰る場所がある。私とは違う。
本を読もう。文学の世界へ逃げ込もう。
「ねぇ、其処のお嬢さん」
本から目を離し、上を見上げる。
其処には、中年くらいと言える男性、と其の隣には幼女が。可愛らしい衣装だ。
「はい」
「そんな所で何をしているんだい？」
「本を読んでいました。このキャリーバッグを椅子に」
「そうじゃなくてだね。こんな時間に貴女みたいなお嬢さんが如何してこんな所に？」
「ああ。親に追い出されました。何故でしょう。」
「……君が異能力者だからじゃないかな」
異能力。本の世界で稀に見たことがあった。
気がする、
「マフィアに来ないかい？マフィアには、貴女みたいな人が沢山居る」
魅力的な誘いだった。
「行きます。でもお風呂とかありますか？あと食事とか」
「ああ、あるよ。勿論無料だ！」
「じゃあ行きます」
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、 - オリフラ外して下さい (2018年1月1日 9時) (
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作者名：ﾒｶﾞﾈ | 作成日時：2018年1月1日 3時
