キ ミ の 特 等 席 【橙】

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ジ「んー…つかれたぁ…」




遠くから見る彼は、
やはり大人っぽくて素敵だ。


背伸びをする彼も、
その時に漏れる声も、
色っぽくてかっこよくて大好き。

真剣にノートPCを見つめる彼も、
眉間にシワを寄せる表情も、

どんな姿でもかっこよくて大好き。



ずっと見ていたい。

ずっと私だけの視界に捕らえておきたい。



なんて思う私は、独占欲の塊だ。

欲張りで傲慢で恥ずかしい。





ジ「……よし。あ、A。帰るな」

『あ、はい…』

ジ「ふふ、寂しいん？」

『…そんなことないです』

ジ「明日も来るわ、またな」





丁度の金額をおいて、
微笑みながら手を振るジェルさん。

今日もかっこよかった。


"明日も来るわ"って、そんな嬉しいことはない。

最高にテンションが上がっちゃう。




店長「嬉しそう」

『わ！びっくりしたぁ…う、嬉しいですよっ…』

店長「明日休みじゃなかった？」

『…』

店長「私のシフトあげるわ」

『ありがとうございますっ！』





なんだか、彼と近づけた気がする。

近づいても、
彼に愛する彼女がいれば
意味が無いんだけど、

それでもなんだか嬉しくて堪らない。



明日も会える、それだけでも嬉しいのに
名前まで呼んでもらえちゃって。






『ふふ♪』






些細なことでも、幸せだと思えるって

嬉しいことだね。





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