Femme Fatale【stxxx】

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あれから1時間ほど、
ジェルくんと電話をした。

たくさん私に笑顔をくれた。


嬉しくて嬉しくて、
あなたの横に居られる女の子は
きっと幸せなんだろうな、なんて考えてた。



もちろん、その女の子は私じゃない。



私なんかは、釣り合わない。






ジ《じゃあそろそろ切るな。》

『うん、ありがとう。ゆっくり休んでね？』

ジ《ありがと、明日も学校やろ？Aも休みなね》

『うん、じゃあおやすみ』

ジ《おやすみ。愛してんで、A》

『私も。』






スマホから彼の声は聞こえなくなった。

スマホを耳から離して
私はまた、水を飲む。


飲み残した水が入ったグラスを片手に
ベランダから寝室に入ると

可愛い寝顔の彼はまだ寝ている。


彼のサラサラの髪に触れ、
髪のひと束ひと束を指に絡める。



月夜に照らされた彼は、
とにかく綺麗だ。

顔、整ってるね、本当に綺麗。




なんて思った束の間。





『起きてたの？ころちゃん。』

こ「……ほんとひでー女。」

『…何を今更。』

こ「僕の後にすぐ他の男に行く。」

『電話の約束してたんだもん、
それにころちゃんを優先したじゃん。』

こ「…むぅ。」

『不服そう。分かってたことでしょ？』

こ「…わかってるけど……やっぱり…」

『じゃあこの関係、終わる？』






彼がここで頷いてくれれば、
私も潔くここを立ち去る。

が、彼は少々物好きだ。






こ「…やだ。Aのこと好きだもん…」

『あはは、可愛いね。ころちゃん。』







彼に私からのキスの雨を降らせる。

可愛いあなたにご褒美だよ。




ご褒美なんて珍しいことだから

ちゃんと、受け取ってね。






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