な組の若頭 ３【stxxx】

. ページ36

.





「辞めてくれっ…」





怯える顔の閻魔と微笑む私。

形勢逆転、まさに今この言葉が1番お似合いだろう。





『ねぇ、閻魔。
私に言うこと、あるよね？』

「……」

『私の両親を手違いで殺したんだ。
言うこと、ないの？』

「ごめ…なさ……」

『両親が死んでなかったら、
私は普通の暮らしを送っていたと思うの。

でも、あんたに感謝してることもあるんだよ。』

「……」

『私をな組に巡り合わせてくれたこと。
これは感謝してる。

あなたのお陰で、なーくんに出会えたの。

あなたのお陰で、沢山の組員に出会えたの。


あなたのお陰で、私は強くなれた。』

「……」

『だから、ありがとう。』

「じゃあっ…」

『でも、許すなんて一言も言ってないわ。
憎い相手には変わりないもん。

だから、さようなら。
来世ではちゃんとした人間になってね。』






私はそう言って、
右手に持っていたナイフを高々と掲げ

閻魔の心臓に向かって振り下ろした。





沢山の返り血が浴びせられた。

楽に死んで貰えるよえに、
急所を狙って刺した。



これが、私が考え抜いた殺し方。



ころんを生かし、閻魔のみを殺す方法。






『ころん。』

「なに…」

『ありがとう』

「いや…僕はっ……」

『最高のチャンスをくれて、ありがとう。』

「うっ…うぅ……」















パパ、ママ、


やっと、終わったよ。






.

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す