な組の若頭 ３【stxxx】

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なんでっ…なんでなんでっ…


私の息は乱れるばかり。




ナイフを振るっても、
銃弾を放っても、

閻魔に近づくことが出来ない。






「ねぇ〜、魔組に入ってよ〜A〜」

『入らないわよ』

「え〜、もうお誘いして10回目だよー？
そろそろ折れてよ〜」

『入らないって…言ってんだろっ！！』





また、ナイフを振るう。

でも、それをひょいっと避ける。


やはり、近づくことは出来ない。





「あはは、僕に近づけないって
悔しがってるんでしょ？」

『っ…』

「ふふ、君レベルじゃまだまだってこと。
分かんないの？自分のこと研究出来てないんじゃない？」

『……なんでも知ったような言い方しないで。』

「その顔！悔しがる顔、だぁいすき！
その顔ずっと僕に見せててよ！」

『気持ち悪ぃ…』






あまりにも気持ち悪い発言に
私はかなり引き気味だ。

もうこれは変態の領域だ…






「Aっ！」

『なーくん……？』






遠くで叫ぶなーくんに気づき、
私はなーくんの方を見つめる。






「考えろ！！」

『考える…？』

「がむしゃらになっても解決策は出てこない！
慎重に考えろ！」

『……なーくん…』






そうだ、無理に距離を縮めようとしても
その思考が相手に知られては意味が無い。

近づこうとするだけじゃダメってことか。



なーくん、ありがとう。



冷静じゃなかった。

冷静で居よう。




それが若頭である、私だ。







『閻魔、最終決戦よ。』

「そうこなくちゃ！」







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