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【side C】





「おや、部下たちはやられちゃったか。」

『な組なんでね。』

「ふふ、そこに座ったってことは
一戦、僕と戦ってくれるってことかな?」

『暇つぶしにいいよ、私が勝ったら
通常通り、任務を遂行させてもらうから。』

「軽口が叩けるのも今のうちですよ。
僕に勝てた人なんて誰ひとりいないんですから。」

「A…」

『ころん。心配しないで?

私を誰だと思ってるの。』





僕を見つめるAの目は威圧で
ビリビリと感じた。

チェスの駒を弄る彼女の姿は
正に、女王様のよう。





『じゃ、始めよっか。』





笑顔でそう呟いた彼女。

チェスの駒を盤上で白、黒、白、黒と交互に動いていく。

こんな戦い方は初めて見た。

さとみくんと僕の戦い方が、
如何に脳筋だということを思い知らされる。


余裕な笑みを零すAに対して
どんどん冷や汗をかきはじめる夜組の組長。

先程までの強気な姿勢は何処に行ったのやら。





『ねぇ、夜組の組長さん。』

「はぁ…っ……なんですか…」

『チェスってKingが一番強いじゃない?』

「…そうですけど……」

『Kingの次に強い駒ってなーんだ?』

「Queen……はっ……!!」

『あはは、気づいちゃった?』





先程まで余裕の笑みを浮かべていたAは
不敵な笑みに変わっていった。

そして、夜組の組長に銃口を向けた。






『チェックメイト。私の勝ちだよーん。』

「ま、待ってくれ…!!
貴方、普通の組員じゃないでしょう!?

貴方は一体何者なんだ!?」

『んー、言っちゃっていっか。

西森 A、な組の若頭だ。

今日はとっておきの組員を連れてきたのに
よくもうちの組員を馬鹿にしてくれたな。』

「若頭……!?」





ありゃ。
うちの若頭、ガチ切れしてんじゃん。

僕を馬鹿にするからだよ。






『な組のQueenは私だ。
うちの騎士(ナイト)を愚弄するな。

お前は雑魚(ポーン)に過ぎない。』

「やめっ…!」







銃声が響くと同時に
夜組の組長は倒れていった。

血、特有の鉄臭い香りが辺りに充満する。







『ころん、帰ろ?』







Aは微笑みながら、僕にそう言ってきた。


その笑みは、何処と無く狂気的だった。






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めあり(プロフ) - キララさん» キララさん何作品もありがとうございます〜…!!(∩ω∩*`) (2021年2月16日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
キララ - 3つ目も楽しく読ませていただきます! (2021年2月16日 23時) (レス) id: 97464f7e6f (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 蝶花さん» わわわ!ありがとうございます!頑張りますっ! (2020年12月7日 17時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます! (2020年12月7日 15時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 冷凍みかんさん» コメントありがとうございます!素敵なお言葉、光栄でございます!!頑張ります! (2020年12月6日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年12月2日 22時

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