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着いたのは古風ある家。

"ただいまー"と元気よく言いながら
家に入る、ななもりさんについて行く。

すると、
俺よりも全然年下の女の子が走ってきた。




『なーくん!おかえりー!』

「A、ただいま!お腹すいたよね?
何か作るから待っててね!」

『なーくぅ…この人誰ー?』

「さとみくんだよ!
今日からな組の組員になったよー!」

「は!?な組?!ここな組なの!?」

「あれ?言ってなかったっけ?」

「言ってねぇよ!それに組員じゃ…ねぇし……」





な組の名前は聞いていた。

へ〜、有名な組織なんだなぁ、程度。

耳にしていた組織が
こんなに近くに存在してるなんて
想像もつかなかったし、

世間は狭いものだな、と感じた。





『なーくん、
今日のご飯は何食べるの?』

「んー、卵かけご飯!」

『えぇ…またぁ?』

「あの…」

「どしたの?さとみくん」

「良かったら俺が作るよ、
ここまで連れてきてくれたお礼もしたいし。」





一気に輝く2人の表情に、俺は1歩後退りをする。

こんな表情、向けられたこと無かったから。




2人には、オムライスを作ってあげた。

母が家を空けることが多かったため、
自分でご飯を作っていた時期も短くはなかった。





「うっま…!さとみくん!美味しいよ!」

『おいしい〜!
なーくんもこのくらい作ってよぉ…』

「ごめんって、A〜…
俺、料理下手なの知ってんじゃん〜…」





暖かかった。

3人しか居ない部屋なのに、
何故か暖かくて。

俺は次第に涙を零した。



ぎょっ!?とする、ななもりさんは
急いで俺に駆け寄ってくる。





「どうしたの!さとみくん…」

「ななもりさんっ…俺、ここに居たい……
この暖かい空間に…居たいよっ…!」

「はは、何言ってんの!俺言ってんじゃん!
さとみくんは、な組の組員だよって、ね?」

「ふっ…ななもりさん…ななもりさんっ…!」

「なーくんでいいよ!さとみくんもご飯食べよ!」





な組に入った俺は
次第にAとも打ち解けていった。

この時のAは、5歳だった。

人見知りもあったため、
少し距離を感じた時もあったが、

俺の作るご飯が好きらしくって
俺に笑顔を向けることが増えた。




この暖かい空間がずっと続きますように、

そう願った。








あの時の、
差し伸べてくれたなーくんの手の温もりは


いつまでも、忘れないだろう。




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めあり(プロフ) - キララさん» キララさん何作品もありがとうございます〜…!!(∩ω∩*`) (2021年2月16日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
キララ - 3つ目も楽しく読ませていただきます! (2021年2月16日 23時) (レス) id: 97464f7e6f (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 蝶花さん» わわわ!ありがとうございます!頑張りますっ! (2020年12月7日 17時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます! (2020年12月7日 15時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 冷凍みかんさん» コメントありがとうございます!素敵なお言葉、光栄でございます!!頑張ります! (2020年12月6日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年12月2日 22時

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