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俺はそう思ったと同時に、
向けられた拳銃を力いっぱい握り締め、
目の前の男から取り上げた。


予想外の反応に、
男は驚いていたようだが、

俺は全く動じなかった。




男はしゃがみこみ、俺は立ち上がっては
男の額に銃口を当てた。

形勢逆転。

まさに今の状況にピッタリの言葉。





「ねぇ、なんでみんなを殺したんや。」

「目障りだった。」

「は…?罪もないんに無作為に殺したんか?」

「あぁそうだよ!!1度でいいから殺したかったんだよ!
人がぶっ飛んでいくところを見たかったんだよ!!!」

「……狂ってんな、お前。」





きっと俺は今、酷い顔をしているだろう。


悲しみ、怒り、戸惑い、焦りが入り交じった、
なんとも言えないような顔をしているだろう。




俺は、目の前の男が許せなかった。



俺の大切な人を殺めたこいつが許せなかった。




甲高い音が何発も響いた。

初めて持った拳銃は子供の俺からすると
あまりにも重かった。


気がつくと、目の前の男は動かなくなった。

揺さぶっても動かなくて
俺は初めて、人を殺めてしまったと酷く後悔をした。


手の震えは収まらない。

冷や汗も止まらない。


呼吸も、しづらくて
なぜ俺が今ひとりで生きているかが

理解が出来なかった。






「おぉー。すごいなぁ、これ。」






男の人の声が聞こえた。

俺はすぐさま手に持っていた拳銃を
声を発した方へ向ける。


誰かが近づいてくる。

小柄で細い影がゆっくりとゆっくりと
こちらへ向かって歩いてくる。





手の震えは収まらない。

来るな、こっちへ来るな。


俺はカチャリと引き金を引いた。




すると……







「こら、撃たないの。」







そこには、月明かりに照らされた、
紫色の羽織を着た男の子が立っていた。





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めあり(プロフ) - キララさん» キララさん何作品もありがとうございます〜…!!(∩ω∩*`) (2021年2月16日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
キララ - 3つ目も楽しく読ませていただきます! (2021年2月16日 23時) (レス) id: 97464f7e6f (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 蝶花さん» わわわ!ありがとうございます!頑張りますっ! (2020年12月7日 17時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます! (2020年12月7日 15時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 冷凍みかんさん» コメントありがとうございます!素敵なお言葉、光栄でございます!!頑張ります! (2020年12月6日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めあり | 作成日時:2020年12月2日 22時

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