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「何してるの?寒くないの?」
「……」
寒くて口も動かない。
"助けて"って言葉が出すことが出来なくて。
もう何時間、この寒空の下に居るだろうか。
肺が凍りそうで呼吸がしづらくて。
目の前のお兄さんは、
俺をふわりと抱きかかえた。
あぁ、
こんな風に人に触れられたのは
何時ぶりだろうか。
「わわ、軽いねぇ!それに冷たくなっちゃって…
俺ん家で良ければ連れていくけどいいかな?」
「…」
ゆっくり頷くと、
抱きかかえた彼はふわっと微笑んで、歩き出した。
その温もりは今でも忘れない。
**
気がつくと、
あたたかい空間に居た。
広めの古風な家。
周りには俺と同い年くらいの人や、
きっと歳上であろう人。
どのくらい気を失っていたかは分からない。
ふと、ストーブ付近にある椅子に座る人と目が合った。
ピンク色の羽織を着た、かっこいい男の人。
「お、なーくん。起きたぜー。」
「ほんとだ!大丈夫?寒くない?」
「あ…えっと……はい…」
紫の羽織を着た人が近づいてくる。
"なーくん"って呼ばれてたな。
この人たちは一体……
「俺は、竜胆 ななもり。
君の名前を教えてくれると嬉しいなぁ」
ふわっと笑う彼は
先程と同じ笑顔を俺に向けてくる。
この人の声、
すっごく落ち着いてて心地良いな…
「赤城…莉央……」
「莉央くんかぁ!
良かったら何があったか聞いてもいいかな?
俺、莉央くんの力になりたいんだ!」
この人になら話してもいいかな。
俺はまだ会って間もない彼、ななもりさんに
何故か心を許していた。
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めあり(プロフ) - キララさん» キララさん何作品もありがとうございます〜…!!(∩ω∩*`) (2021年2月16日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
キララ - 3つ目も楽しく読ませていただきます! (2021年2月16日 23時) (レス) id: 97464f7e6f (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 蝶花さん» わわわ!ありがとうございます!頑張りますっ! (2020年12月7日 17時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます! (2020年12月7日 15時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 冷凍みかんさん» コメントありがとうございます!素敵なお言葉、光栄でございます!!頑張ります! (2020年12月6日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めあり | 作成日時:2020年12月2日 22時