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るぅとに支えられながら
用意された車に乗り込むと
バサッと何かを掛けられた。
視界がピンク色になる。
___俺の羽織だ。
「さとみくん。」
「なーくん…ごめっ…おれ……」
「心配した…
俺も一緒に行ってれば良かった……ごめん…」
「違う…なーくん……心配かけてごめん…」
ポロポロと大粒の雫を
大きな目から流すなーくんは
ぎゅっと俺を抱きしめた。
その温もりは、あの時のままだ。
「迎えに来たよ、ふふ、あの時みたいだねw」
「俺もさっきちょうど思い出してた…w」
「あはは、俺、さとみくんが自分の名前を
残してくれたのすっごく嬉しかったの。」
「名前?」
「ほら、みんな自分の名前を捨てて
この組に入ったでしょ?
さとみくんはさとみくんのままで居てくれて
俺、嬉しかった。」
母さんが付けてくれた名前を
俺はどうしても捨てることが出来なかった。
俺の選んだ羽織の色は"撫子色"。
だから、俺は苗字だけ捨てた。
羽織を貰ったあの日から俺は、
"撫子 さとみ"として生きていくと決めたんだ。
「俺は母さんが好きだから…
母さんがつけてくれた名前を大切にしたかったの。」
「そういうと思ったよ、さとみくんは」
『片付けたよー、帰ろー』
「聞いてくださいよ、なーくん。
僕、加勢しようと思って向かったら、
もう終わってるんです!本当に凄いよ、A。」
『えへへ、るぅちゃんに褒められた〜!』
どうやら、任務は無事終わったらしい。
さすが、若頭様だ。
「さて、帰ろっか!
今日はころんがご飯作るってよ!」
「え、なーくんそれ本気で言ってます…?」
『今日が私の命日かもしんない。』
「まぁいいじゃん、食ってやろうぜ!」
「『嫌だよ!!』」
母さん、
俺、ここに居れて幸せだよ。
守ってくれて、ありがとう。
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めあり(プロフ) - キララさん» キララさん何作品もありがとうございます〜…!!(∩ω∩*`) (2021年2月16日 23時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
キララ - 3つ目も楽しく読ませていただきます! (2021年2月16日 23時) (レス) id: 97464f7e6f (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 蝶花さん» わわわ!ありがとうございます!頑張りますっ! (2020年12月7日 17時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます! (2020年12月7日 15時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
めあり(プロフ) - 冷凍みかんさん» コメントありがとうございます!素敵なお言葉、光栄でございます!!頑張ります! (2020年12月6日 10時) (レス) id: 9f1dd59455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めあり | 作成日時:2020年12月2日 22時