宝石のカケラ 【stxxx】

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あの日以来、
毎日メンバーが1人ずつ来てくれることになった。

交代制って言ったらいいのかな。

みんな心配して来てくれるみたい。



いつ記憶がなくなるかもわからないのに。






「A、来たよ」

『さとみくん、ごめんね、ありがとう』

「あは、気にすんなよ。体調はどう？大丈夫か？」

『大丈夫だよ、今日公式放送でしょ？』

「まぁな、あれだったらお前のパソコン借りる」

『まぁその分はいいけど……うっ…ゴホッ！ゴホッ！』





咳は前よりも増えた。

吐く宝石の量も増えた。





咳をするたびに、背中を摩ってくれるさとみくんの手は
温かくて優しい感じがした。






「大丈夫か？」

『大丈夫だよ、……ピンクか。』

「俺の色だな。」

『…………忘れたくないよっ……なんで私なのっ…
なんで！？なんで私がっ……！！』

「大丈夫だよ、お前が忘れても俺らは忘れないって
言っただろ？

安心しろ、ずっと近くにいるから。」

『ふ、うぁ…ｸﾞｽｯ……』





記憶が無くなるタイムリミットが近づくにつれて
私の情緒は不安定になっていった。

記憶がなくなる恐怖に耐えられない。






『あと…2週間か。』

「そうだな。」

『ねぇ、さとみくん。聞きたいことあるの。』

「ん、どうした？」

『私が居なくなったら悲しむ？』

「……何馬鹿なこと言ってんだよ。
冗談でもそれ、俺以外のメンバーの前で言うなよ」

『うん、わかった』






この時の私は分かってたんだ。
















明日にはもう、

私の知ってる日常は来ないってことを。






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