宝石のカケラ 【stxxx】

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『……相談できないでごめんね。』

「ねぇ、僕は頼りなかった……？
僕はAのなんだった……？」

『……』





思い出せない。

ころんくんは私のなんだったんだろうね…




考えても考えても、

思い出せなくて。





私は"ごめん"と一言呟いて、通話を切った。







**







診断されてから1ヶ月が経った。




もうほとんどのことを覚えてないし、
メンバーたちとも連絡を取っていない。


いや、私が無視をしているだけ。




ころんくんには最後に
"別れよう"とだけ送った。

それ以降私はメンバーのメッセージを開いていない。






外にも出てないし、
定期検診すらも行くのを辞めた。


治療法が見つかったとしても、
もう手遅れなのだ。

行っても意味がない。





テーブルの上に転がる沢山の宝石たちを見ては
憎くて憎くて堪らなかった。


お前らが出てくるせいで
私はどんどん失っていく。




お前らが出てくるせいで……！！





……もしかして、この石を飲み込めば
記憶が戻るのでは……？





私はそれを、そっと口に含んで飲み込んだ。





でも、宝石は歪な形をしているため
角が喉に刺さっては痛い。

吐き出してしまうと、
飲み込んだ物に追加して、また2つくらい石を吐き出した。





"飲み込んでも無駄だぞ。"





そう言われてる気がした。







『嫌だっ…嫌だぁぁっ…』




私はそう泣きながら叫ぶと
リビングのドアがゆっくりと開いた音がした。




目をやるとそこには…








『なんで……』









メンバーがいた。





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