記者佐藤の正体 ページ17
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チッ
小さく舌打ちをした。
...一か八か。大勝負な賭けである。
勢い良くポケットから銃を取り出し発砲した。
弾がなくなれば補充。それを何回か繰り返して全ての弾を使い切った。
息を吐き、三島由紀夫が居た場所を見る。
カラン、カラン
三島『ねェ、一寸物騒じゃない?僕が銃弾ひとつ防ぎ切れない一般市民だったらどうするつもりだったの?まぁ、こんなもので僕が死ぬ訳ないんだけど。』
三島由紀夫は無傷だった。
私が打った銃弾を掌から床に落とす。
私はこの男がこの世のものではない錯覚に陥った。
言葉1つ口に出来ない。
口はただパクパクと動くだけだ。
三島由紀夫は椅子から降りて、私に手を差し出した。
三島『僕に叶わないこと分かったよね?君の異能力〖イソップ童話〗は自分の交渉が通りやすく、人から情報を引き出しやすい。であってる?』
こくこくと首が切れそうになるくらい頷く。
私の穴という穴からは汗が止まらなかった。
三島『うんうん。それじゃあね、アイソーポス君。』
私の頭をふわりと軽く撫でながら彼は云った。
三島『僕の可愛い可愛い
差し出されたその手を掴まないと云う選択肢がある訳はなかった。
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作者名:右腕に筋肉 | 作成日時:2017年4月5日 15時