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「──!」
「───!」
「ミラ!!」
その声に私はハッと我に戻る
『……今日の記者会見はなし、帰る』
一刻も早くメアリーさんに会いたい
事情を全て一つも漏らさず伝えて欲しい
「は!?何言ってんの!ミラらしくないわよ!」
『急用ができた、社長に伝えてくる』
そう言って、急いで社長室に向かう
もしダメだと言われたらどうしよう
……無視して帰ればいいか
飛行機のチケット取って…荷物は……
そんなことを考えているうちにいつの間にか社長室に着いていた
ノックしようと腕を上げた時、中から微かに声が聞こえた
社「……だ……」
誰か先客がいるのかも、と思いながらもドアノブに手をかける
それと同時に
社「…ちゃんと隠しきれてるんだろうな?
ミラに見られないようにそれもちゃんと隠しておけ」
……私?
「勿論です。ちゃんと私が持っています
ただこの男もよく懲りなく送り続けますよね
今どき手紙だなんて──」
“1度でいいから手紙に目を通してやってくれ”
ふと思い出した先程の会話
気がついたら私の体は勝手に動いていて、
既に部屋に入って、社長たちに近付いていた
『……なんの話ししてんの』
そう言うと驚きながらこちらを見つめてくる
社「!…ミラ、何も話してないさ」
『シラ切るつもり?……さっさと話して』
社「……だから何でもないと─」
そっちがそう出るんなら……あんたが困ることやってやる
『いいの?言わなかったら私今日記者会見でないけど』
そういえば案の定、酷く焦ったような顔を零す社長
しばらく悩んだ後、私に話始める
社「……チッ、分かった。言えばいいんだろ?
ただし、ちゃんと記者会見は出ろ」
『……分かった』
社「お前には昔から手紙が定期的に来ていた
俺は最初、お前のファンだと思ったが中身を確認したところそうではなかった」
『……いつから来てたの?』
社「CMデビューした頃からだ」
……きっと秀くんだ
ずっと連絡がなくて不安だった、悲しかった
だけど連絡を取らなかったのは秀くんじゃなくて私だったんだ…
『……なんで教えてくれなかったの?』
社「伝えたら女優辞めるだろ?
“探し人が見つかったら辞める”、これが条件だからな
それに今、辞められたら俺の会社が傾くしな」
『……約束だったよね?
“この業界に入ったら俺も探すのを手伝う”
嘘だったの?』
社「まぁ良いじゃないか、無事に見つかったんだし
だが女優辞めんなよ?俺を助けると思って続けてくれ」
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色 - この関係が『ギュッ』っとくるっす!!マジでどうなるんすか?((o(´∀`)o))ワクワク (7月16日 22時) (レス) id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
色 - すっげぇ、、、、好きです!!!続きがまじで見てぇっす!!! (7月16日 22時) (レス) @page18 id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わきゃめサラダ | 作成日時:2023年4月21日 18時