story.10 ページ11
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あの後、私は必要最低限のものだけを持って寮を出た
帽子とメガネを掛けていると案外バレないもので、
簡単に街に出ることが出来た
手に持っていた手紙にふと目を向ける
『…せっかく秀くんが書いてくれたんだから読まなくちゃ』
しかし街で読む訳にもいかず、とりあえず近くにあった漫画喫茶に足を運んだ
個室に着き一息ついて秀くんのことを考えていた
やっぱり秀くんが死んだって信じられない…
メアリーさんに聞いたら爆発に巻き込まれたって言ってた
遺体は誰のものか分からなくて…だけど、かろうじて指紋が一致したって聞いた
でもね、きっと秀くんならどうにかして爆発を回避したかと思う
……そう思いたい
手で握りしめていた手紙を見る
『……読むって決めたのに…弱いな』
きっとこの手紙を読んだら今まで背けていた現実が、
私の目の前に現れる……後には戻れない
でも読まなきゃ何も変わらないから
震える手で手紙を掴み、1枚目を開ける
『っ！…はは……秀くんらしい』
手紙はたったの3行……だけどそれが何故か嬉しかった
“今朝、TVに美蘭がいて驚いた
どうしてくれるんだ、コーヒーをこぼしてしまった
それと、連絡を取らずすまなかった、今度会わないか？”
手紙の下の方に秀くんの連絡先と思われる番号が書いてあった
それとその隣になにか小さい…文字？みたいなのが書いてあった
よく目を凝らしてみるとそれは文字でなく、猫だった
『……かわいい(秀くんが)
私が猫好きなの覚えてくれてたんだ』
決して上手くはない絵をじっと見つめること数十分、
ようやく2枚目の手紙に手を伸ばした美蘭
そのまま3枚目、4枚目と手を伸ばし、
ついに手紙は最後の1枚となった
『…もう最後か』
最後の手紙の封を切る
“美蘭、今まで未練がましく手紙を送ってすまなかった
そもそも見ていなかっただろうが、
…だが形だけでも美蘭に伝えなければいけないことがある”
そこまで読んだところで、
バンッと音を立てながら手紙を机の上に伏せる
…何を伝えるって言うの？
私は…私は……
信じたくないの
大体分かる、この後に何が書かれてるかくらい
…だからもうこの先を開きたくないの
だって、この先を見たら……私は何を、誰を、
目標とし、希望とし、生きがいにすればいいの？
知ってるでしょう、秀くん
私は巡り巡って全て秀くんの為になることしかやってこなかった
だからね、あなたがいない世界で生きることなんて無意味に等しいんだよ
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さえ(プロフ) - めっっっちゃすきです！！！赤井さん一途な夢主ちゃん可愛過ぎます、、、これからも頑張ってください！！ (5月5日 1時) (
レス) @page18 id: 06c640ba36 (このIDを非表示/違反報告)
色 - この関係が『ギュッ』っとくるっす！！マジでどうなるんすか？((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ (7月16日 22時) (レス) id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
色 - すっげぇ、、、、好きです！！！続きがまじで見てぇっす！！！ (7月16日 22時) (レス) @page18 id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わきゃめサラダ | 作成日時：2023年4月21日 18時
