第九十話 ページ11
tn「ｯ！！！
お前…………っ！！」
トントン様は鬼の形相でスパルタクスさんを睨みつけ、その胸ぐらを左手で思いっきり掴んだ。
そして空いている右手を握りしめ、スパルタクスさんを殴ろうとした。
『っ！！
お待ちください、トントン様！！』
ピタッ……！！
その拳は、スパルタクスさんの顔面ギリギリのところで停止した。
スパルタクスさんは顔色を変えず、じっとしている。
……トントン様は、その拳を下ろすことなくそのままの状態で私に視線だけ向ける。
私の次の言葉を待つように。
『スパルタクスさんは確かに私の事を撃ちましたが、その後私をここまで運んでくださったんです！
スパルタクスさんがいなかったら、怪我がもっと悪化していた可能性もあって……
……だから…そのっ…………』
……後半、声が震えて言葉に出来なかった。
何故か、涙が溢れてきたからだ。
涙で視界が歪み、抑えようにも止まらない。
そんなみっともない姿を見られたくなくて、顔を手で隠しながら俯いた。
何でだろう、涙が止まらない。
………トントン様に会えて、嬉しいはずなのに。
tn「……A。」
トントン様の声が、私のすぐ近くで聞こえた。
きっとスパルタクスさんから手を離して、私の目の前にいるんだろう。
……トントン様の優しい声色が、今は辛かった。
tn「顔、見せて？」
『……っ！
みっとも、ないっ、ので……っ！』
私は顔を隠したまま首を横に振り、そう答えた。
それでも、トントン様は私に声をかける。
tn「何言うてんねん。
Aにみっともない所なんて、一つもあらへんよ？せやから……な？」
そう言うと、トントン様は私の両手に自分のそれを添えた。その手があまりにも暖かくて、顔を抑える力が緩んでしまった。
そして、トントン様は私の両手を顔から剥がした。
tn「…っはは、確かにぐっしゃぐしゃになってもうてるな。」
『っ！
だから、いやだったんでs
tn「でも、みっともなくなんかない。
こんなに綺麗な涙を流す子、見たことないわ。
……綺麗やで、A。」
……トントン様は、私の両頬に包み込むように手を添えて、親指で瞼を優しく擦って涙を拭う。
私の目を見て、優しく微笑みながら…………。
『……っ！！』
…………あぁ、やっぱり。
私の"運命の出会い"は、貴方だったんですね＿＿＿。
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ひよこ。(プロフ) - 約3年ぶりにこの作品を読ませて頂きました。本当に面白くて主ちゃんもtn氏も可愛くてかっこよくて、我々国内の信頼度の高さやいろんな面の強さに感動！興奮！でした！！！本当に過去一大好きな軍パロです！ (2023年2月23日 21時) (
レス) id: 852489ddeb (このIDを非表示/違反報告)
ねこ(プロフ) - 大先生.......！！！！切ねえ！そういうの大好きです！！楽しく読ませて頂きました、ありがとうございました！ (2021年2月9日 13時) (レス) id: 0e99721aee (このIDを非表示/違反報告)
わんぱん - 一気読みしてきました！めっちゃ面白かったです！本編は勿論番外編のcino君の強者ムーブ面白かったです。素敵な作品ご馳走様でした*\(^o^)/* (2020年8月20日 16時) (レス) id: b542029aeb (このIDを非表示/違反報告)
ムノ - 私この作品見ながら夜中ずっと悶てるんですけどただの変人(元から)なんですけどヤバいトントンさんと夢主さんの両片思いなとことか国民とか国民とか国民とかが好き過ぎて辛い､好きです(唐突な告白) (2020年4月10日 0時) (レス) id: 979b6668ec (このIDを非表示/違反報告)
外ピ - 俺になるの最高に可愛いですありがとうございます。最後！niさん！もう、本当に、心臓が止まりました。なんてかっこいいの...この作品に1番ぴったりなのは、人生の主役は我々だっていう感じがします。とても長くなってしまいましたが最後に1つ。ｷｬｰﾄﾝﾄﾝｽﾃｰｷ (2020年3月6日 4時) (レス) id: 6c3752b497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるまるのし | 作成日時：2019年4月22日 20時
