＊ ページ35
「いいよ、無理に思い出さなくても…」
本当は思い出して欲しい
でも…悲しそうな慎太郎の姿を見るのが辛かった
慎「また…来ますね…」
そう言って、病室を出て行った
すっかり怪我も治り、歩けるようになった私はあと数日で退院と言われた
慎太郎は、ICUから普通の病棟に移り、リハビリに毎日励んでいた
本当は側でサポートしたいけど…
今の私は、慎太郎にとっては他人…
いつも陰ながら応援することしかできなかった
なるべく会わないように毎日を過ごした
慎太郎はみるみるうちに回復し、今は松葉杖で歩いている
そんなある日、たまたま廊下を歩いていると、ガシャーンという音がした
そこには、転んでしまったのか松葉杖が倒れ、床に座る慎太郎の姿があった
会わないように過ごしてきたけど、困ってるのに見過ごすなんてできなくて、慎太郎の元へ行った
「大丈夫…？」
松葉杖を立て、肩を貸した
慎「あ、」
私をみて驚いた顔をした
慎「あ、ありがとうございます…」
なんとか立つことができた
「じゃあ」
その場を立ち去ろうとした
慎「待って！！！」
大好きな人の声が響く
待ってなんて言われたら、止まるしかないじゃん…
流れそうな涙を堪えた
「何…？」
慎「ちょっと話したいです」
慎太郎が歩いていく
私は、その後を追って歩いた
着いたのは、病室にある中庭
ベンチに座る慎太郎の隣に座った
慎「僕、事故にあったみたいで」
そう話し始めると、自分の思い出話を始めた
家族のこと、友達のこと、学生時代のこと
その思い出話の時が最近に近づくほど、期待してしまう
慎「最近になって、ちょっとずつ思い出すことが増えてきてはいるんですけど、人は思い出せなくて。でも、1人だけ思い出せそうで思い出せない人がいるんです。きっと俺が1番大切にしてた人なんだろうけど…」
「どんな人…なんですか…？」
慎「笑顔が可愛らしくて、元気で明るくて。夏に2人で海に行ったり、2人でクリスマスに会ったり…この前、携帯の中にあった写真みて、その場所に行った思い出はあっても誰と行ったかが思い出せないんです…」
「そうなんですね…」
その思い出は、私と行った記憶と見事に当てはまっていた
私の記憶は消えても、私と作った思い出は消えてなかったんだ
そう思うと少し嬉しかった
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あんず(プロフ) - 結依さん» 誤字ってました（汗） 申し訳ありません！！！ ご指摘ありがとうございます！ (2020年3月27日 23時) (
レス) id: fc9e1decc7 (このIDを非表示/違反報告)
結依 - 続けてのコメントですみません(>_<) これ正しくは寝ていたところを邪魔されてかもしくは 邪魔されたからかではないんでしょうか？ (2020年3月5日 18時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
結依 - まだまだ早いですがこんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません...。 物語読んでいて気が付いたのですが...。 Hokutoのここの部分 整った顔に、甘い声、寝ていたところを邪魔されてからか不機嫌そうに私を見る (2020年3月5日 18時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます！！！嬉しいです！！ (2020年1月13日 22時) (レス) id: 57dcec1c2d (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - SixTones北斗君と大我君と樹君のオール担当です最高です (2019年9月19日 19時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず | 作成日時：2019年6月10日 18時
