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こんな緊急事態でさえこんなことを思ってしまうなんて俺は病気かなんかなんだろうか...
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なんて考えながら緊急通報のボタンを押す。
「すいませーん。すいません。」
何度呼びかけても反応がない。
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..あかんな。これ。
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そんなことをしていると、もう一度ガコン！っと大きく揺れた。
今度は大きな声を上げることは無かったが、身体をびくっと震わせ俺の腕に抱きついた。
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あまりの密着度にさすがに俺もAを見つめると、
首を大きく横に振りながら
A「今離れちゃやだ。
中間さん…。」
と、泣きながら俺の腕に抱きつくAの姿があった。
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次第に涙が溢れ出し、声を上げて泣き始めた。
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もうエレベータの恐怖とさっきの例の出来事と、いろいろなことが混ざった涙であるとはさすがの俺にも理解ができた。
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Aの身体を支えながらその場にゆっくりと座り、Aの小さな背中をゆっくりのさすった。
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15分ほど泣いていただろうか。
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Aがポツリと呟いた。
A「わかってるんです。
知ってるんです。
彼に愛がないことは。」
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気づいてはいた。
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照史は、次期社長のポストを狙ってAに近づいたことを。
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わかりきっていた。そこに愛がないことも。
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でも、あまりにも残酷すぎて。言葉にするなんてできなかった。
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そんな言葉がAの口から聞かれたことに動揺を隠せなかった。
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A「わかってるんです。ちゃんと。
わかってるんです。」
そう何度も繰り返すAの姿に胸が切り裂かれるように痛んだ。
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瞬きをするたびに照史の笑顔が映る。
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その笑顔が目の前のAに重なり、何もできない自分に悔しさが募る。
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かける言葉がみつからなかった。
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中間「辛いな。」
この溢れた一言は俺の気持ちだろうか。
Aの気持ちだろうか。
なんて思いながら、初めてAの身体を抱きしめた。
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驚くほど華奢で小さく震えていた。
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ふ。(プロフ) - 早速読ませて頂きました！淳太くんの心情にも主人公の心情にもドキドキします^^ (2018年2月4日 14時) (
レス) id: 14c30d17ad (このIDを非表示/違反報告)
Rina(プロフ) - ふ。さん» さっそく読んでいただけましたか？^^ いつもコメントくださってありがとうございます！ (2018年2月3日 21時) (レス) id: cfc9e7d6e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふ。(プロフ) - 更新してくださり有難う御座います！！やはりとても続きが気になるお話ですし、もうなんと言っても主人公の気持ちにとてもドキドキしちゃいます！ (2018年2月3日 20時) (レス) id: 14c30d17ad (このIDを非表示/違反報告)
綾花(プロフ) - いつも楽しみに読んでいます！この先の淳太くんと主人公の関係がどうなっていくのか、すごく気になります！更新頑張ってください！ (2018年2月3日 4時) (レス) id: a14ed5a845 (このIDを非表示/違反報告)
ふ。(プロフ) - 更新頑張って欲しいです！ とても主人公と淳太くんの関係性が好きです ！ (2018年2月2日 17時) (レス) id: 14c30d17ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rina
| 作成日時：2018年1月6日 22時
