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思い出 ページ29

あの日…。








そう、雪が深々と降り積もり、今季最大の寒波が日本に直撃したあの日。





電車を降り、急ぎ足で凍える手をこすり合わせながら家路についた。







なぜか胸がざわついていた。







それを嫌な予感 と僕は捉え、胸を高鳴らせながら家のドアを開けた。









崇裕「ただいま〜…」







奥に聞こえるよう少し大きな声で間延びに呟くと




"よいしょ…よいしょ…"






と、リビングからAが車椅子を押しながら出てきた。








そして意地悪そうな笑みを浮かべる。








貴方「んふふ〜。



おかえりっ」







見るからに背後に音符のようなルンルン気分をちらつかせるAの姿に思わず僕も笑みがこぼれる。







崇裕「なんやねん〜もう!」








照れ隠しでAをすっぽりと抱きしめると






Aも僕の背中に手を回す。







そしてゆっくりと こう呟いた。







貴方「おかえり…






おかえりなさい。






…パパ。」









えっ…









今、なんて言った?








崇裕「へっ!??」









思わず変な声が飛び出る僕を、クスクスとAが笑う。







崇裕「もう一回…





もう一回言うて?」









現実かもわからず、聞き直した。







ニーッと笑い、もう一度






今度はもっと大きな声で叫んだ。








貴方「おかえりー!!



崇裕パパーー!!!」









はっきりと聞こえたのと同時に強くAを抱き締める。








崇裕「ありがとう…っほんまにありがとう。」







知らぬ間に、頬を大粒の涙がぬらしていた。









貴方「も〜っ(笑)泣きすぎ〜。」







僕の頬を手で包み涙をそっと拭ってくれる。







Aのお腹にそっと触れる。






ここに、大切な命があるんやな…。




僕の胸は、とてつもない幸せと強い責任感で満たされた。






崇裕「僕が、…




何があっても…僕が、Aとこの子を守るからな」





なんの自信もない。





ただただ不安だけど、それよりも何倍も幸せで。






息もできないほど



Aが、この子が、愛おしい。








.


(今)



Aと桜と楓の寝顔を見つめていると、





いつの間に昔の出来事を思い出していた。






そしてまた、愛おしさがこみ上げ胸が熱くなる。







崇裕「大好きやで。」





3人を起こさないよう、静かに呟きA頬にそっとキスをして、僕も夢の中へと落ちていった。

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紫ジャス民 - 濱ちゃんがかっこいい。ありがとう (2016年1月17日 18時) (レス) id: a7dd7d2c5d (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 紫ジャスミンとしては最高にキュンキュンしながら読ませて頂いてます。番外編もとても面白くてまだまだ続きが読みたいです。更新楽しみにしてます☆ (2015年10月4日 1時) (レス) id: 42c7b8f22e (このIDを非表示/違反報告)
Rina(プロフ) - ふぅりのさん» ありがとうございございます〜!勿体無いお言葉です!かなりの亀更新ではありますがこれからもお付き合いください! (2015年9月12日 23時) (レス) id: cfc9e7d6e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅりの - 番外編も最高です(*´`*) 更新頑張ってください!! (2015年8月29日 21時) (レス) id: cc24b659d9 (このIDを非表示/違反報告)
Rina(プロフ) - ノラ猫さん» うございます! 続編はぼちぼちと書きためていますのでお待ちくださいね!私も書きながら、あれ…しげカッコよすぎ…ってなりました(笑) これからしげちゃんメインも書きたいな♪ 本当にコメントありがとうございました! (2015年7月19日 11時) (レス) id: cfc9e7d6e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rina | 作成日時:2015年5月1日 19時

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