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嫌な考えを巡らせていると、





貴方「崇裕くん!用意できたよー!」




と、車椅子に座り 鞄を前で抱きかかえるAが "よいしょ よいしょ" と近づいてきて。






かわいい…。笑






うん。




…こんな悪い考え、あかん。





と思考を戻した。






心のざわつきを掻き消すように笑顔を作り、その日は帰路についた。







.




あれからというと、家にいる時間も、仕事の要件と言って田中さんからの電話が頻繁にかかってくる。






残業が急に決まったり、仕事の案件が増えたり、減ったり…





正直、あれ…?と思う事が増えている。






ちゃんと二人で話し合わな と思うけれど中々お互いに時間が取れず…





なんだか正体のわからない焦りが僕の心を支配する。








ある日の朝。






出勤前のAと遅めの朝食を食べる。






ゆっくりとコーヒーを飲んでいるAに向かって勇気を振り絞り、話を切り出した。





崇裕「あのさぁ、A 最近無理しすぎちゃう?」




僕の言葉にも首を傾げて不思議そうにする。









貴方「そうかな…?


社会の一員になれた感じがして毎日がたのしいよ。


でも、記憶障害のせいで周りに迷惑をかけちゃってるのも事実だし…。




負担にはなりたくないんだぁ。」








Aは少し伏し目がちで悲しげに話す。





なんでそんな悲しい顔、するん?






嫉妬心やったり心配やったり、今まで溜め込んで気持ちが溢れ出す。






崇裕「やからってAが負担を背負うことないやんか!



僕は、Aに無理させるために仕事の復帰をすすめた訳ちがう!」




あかんって…




止まれ!




Aを責めてどうすんねん!




心の中では言ってはいけないとわかっていても制御が効かない。





崇裕「もう、仕事 辞めてええから…。



な…?」





自分の口から出てから、何の根本的解決にも至っていないことに気づく。






Aの目に涙が溜まる。





貴方「でも…わたしが、仕事で(ピーンポーン…)






Aが口を開いたのと同時にチャイムが鳴る。






崇裕「…出てくるな?」






気まずい空気の中、僕は静かに席を立った。

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紫ジャス民 - 濱ちゃんがかっこいい。ありがとう (2016年1月17日 18時) (レス) id: a7dd7d2c5d (このIDを非表示/違反報告)
なつみ(プロフ) - 紫ジャスミンとしては最高にキュンキュンしながら読ませて頂いてます。番外編もとても面白くてまだまだ続きが読みたいです。更新楽しみにしてます☆ (2015年10月4日 1時) (レス) id: 42c7b8f22e (このIDを非表示/違反報告)
Rina(プロフ) - ふぅりのさん» ありがとうございございます〜!勿体無いお言葉です!かなりの亀更新ではありますがこれからもお付き合いください! (2015年9月12日 23時) (レス) id: cfc9e7d6e2 (このIDを非表示/違反報告)
ふぅりの - 番外編も最高です(*´`*) 更新頑張ってください!! (2015年8月29日 21時) (レス) id: cc24b659d9 (このIDを非表示/違反報告)
Rina(プロフ) - ノラ猫さん» うございます! 続編はぼちぼちと書きためていますのでお待ちくださいね!私も書きながら、あれ…しげカッコよすぎ…ってなりました(笑) これからしげちゃんメインも書きたいな♪ 本当にコメントありがとうございました! (2015年7月19日 11時) (レス) id: cfc9e7d6e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Rina | 作成日時:2015年5月1日 19時

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