ご主人様のいうとおり 3 Nozomu.K (ページ12)

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望side

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今日は収録前の仕事で散々しくじって怒鳴られまくってしょんぼり落ち込んでた。

Aの顔見たら泣いてしまいそうなくらい弱ってもうてて帰るタイミングを見失い、家に帰るとこの大げんかが待っていた訳だ。

付き合ってからこんな大ゲンカ初めてで少し嬉しい俺。

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Aが料理を温めている間に携帯を開くと神ちゃんから鬼のような不在着信が。

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『智ちゃんは21時に仕事終わったって…』というさっきのAの一言を思い出す。

神ちゃんに連絡いってたんやなぁ～お礼言っとかな。と神ちゃんに電話をかける。

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呼び出し音がしばらく鳴り、聞こえた声は驚くほど低かった。

神山「もしもし、望？」

望「おん、神ちゃんありがとうな。」

神山「ありがとな、ちゃうねん。」

望「へ？」

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久しぶりや。こんなブラック神ちゃん。

望「神ちゃんのお陰で仲直りできたで。」

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ありがと～っと明るめに話を続けるも、

神山「望。あんまり気ぬくなや。

中途半端な気持ちやねんたらAのこと。本気で奪い取ったるからな。」

その一言でブチッと電話が切れた。

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ツーツー、という音が受話器から聞こえる。

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一瞬、頭が固まる。

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そして、一気に頭が加速する。

あかん。いつからや？

いつから、そんなに本気になってた。

俺が気抜いてるうちにあかん方向に進み始めてる。

焦りが一気に押し寄せ余裕がなくなる。

あかん。こんな俺初めてかも。