魔女が一人。３【呪術廻戦】

事実に即し、己を律する ページ22

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来訪瑞獣 一番 獬豸(カイチ








降霊術、「来訪瑞獣」。顔を隠すことで自らが霊媒となり、四種の瑞獣＿＿獬豸・霊亀・麒麟・竜の能力を降ろし使用できる術式。






猪野が複雑に手の形を変え、その場にはドリル状の“何か“が出現する。


そしてそれは、逃げる男＿＿先ほどは“孫“と呼ばれていた＿＿を追尾する。







『セクタムセンプラ(切り裂け)』







ずれなく猪野の術式にタイミングを合わせ、Aは老女の方へと魔法を放つ。


手を合わせ、目を閉じて何かを唱えている彼女は“孫“によって器用に逃げさせられる。


猪野の「獬豸」にAの戦闘呪文を喰らい血が噴き出しても、彼は平気な顔をしている。







『…猪野さん、さっさと殺して二人と合流しましょ』


「それ今言おうと思ってた」




「婆ちゃん、今の…」


「ああ、奇遇(・・)よの」








こんな時、あの人ならどうするだろうか。


慢心なんてない。





ただ事実に即して、己を律するだけ。







『…ですよね、猪野さん』


「ああ、多分同じこと思ってる」


『なら良かったです』







一息吸って、二人の声がぴったり重なり合った。







『フリペンド(撃て)』


「二番 霊亀」









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