筋の通し方 ページ21
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ジュウゥゥっと肉を焼く音、それぞれのグループの話し声、店員の接客する声。
そんな賑やかな焼肉店の中、低い声が響いた。
「何故私の推薦にこだわるのですか、君の術式なら準一級くらいすぐなれます」
七海がそう話しかけるのは、ちょうど肉を焼いていく猪野。
猪野の隣には、申し訳なさそうにサラダを頬張るAが座っている。
「…やっぱ“筋“って大事だと思うんですよ。特に呪術師みたいに血生臭い職業は」
『…筋、』
「そう、筋。でも俺は頭悪いから筋の通し方が分からなくなることがある。…だから迷った時こう考えるんです」
__「七海サンならどうするか」。
「それで七海サンに認められずに一級っていうのは嘘でしょ」
そうきっぱりと言い切った彼は、七海とAの皿に焼き上がった肉を乗せる。
「ありがとうございます」と言ったAは、机に両手で頬杖をついてため息をついた。
『…私も明確な物、欲しいです』
「…物?」
『…たまになんで術師やってるのか、とか…それはいいとして、その…道標っていうか、光っていうか?それこそ“筋“が欲しいなぁなんて。
重大なことを決めるとき、迷わなくて良くなりませんか?』
「…それは一理ありますね」
自分の軸となるもの、考え方のもとになるもの。
例えば猪野の場合なら、「七海サンならどうするか」。
「…俺とお揃いでいいんじゃね?」
『いいんですかね、猪野さんの専売特許というか…』
「そんなこと気にしなくていいの!お揃いお揃い」
「…」
彼女の“筋“は猪野とお揃いのものに決定した。
『いつもありがとうございます、色々。…飲み物追加します?』
「…マッコリを」
『すいませーん、マッコリひと…「未成年がオーダーはまずいです」んん…』
「…マッコリひとつ」
『いつもすみません…』
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なんなん(プロフ) - 杏莉さん» ほんとうですか………めちゃめちゃめちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます泣!!!! (2021年3月12日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
杏莉 - ふわああああ! 面白いですっ! 更新楽しみにしていますね! (2021年3月12日 18時) (レス) id: 8bbf1cd05e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんなん | 作成日時:2021年3月4日 16時