第百六訓 ページ8
銀時side
──ガバっ!!
悪夢から現実に引き戻された俺は飛び起きる。
全身から脂汗を吹き出し、着流が肌にへばりつく鬱陶しい感覚。
銀時「はぁ…はぁ…」
ゆめ…か…。
何度も見た夢の筈なのに、まるで生きた心地がしない。
そして目線を落とすと自分は布団に寝かされていた。
知らない和室。
どこた?ここ…。
桂「ガラにもなく魘されていたようだか、昔の夢でも見たか?」
ガラッと開いた襖から部屋の中に入ってきた人物。
銀時「…ヅラ?なんでてめーが……ッ !!?」
頭が徐々に覚醒し脳裏に新八、神楽と…血まみれなAの姿を思い出す。
銀時「そうだ!!」
───ズギンッッッ‼︎‼︎‼︎
銀時「……ッッッ!!?」
あまりの痛みに息が一瞬止まった。
先ほどまで感じなかった強烈な痛みが全身を駆け巡り、筋肉が硬直しそのまま布団に倒れ込む。
桂「無理はせぬがいい。…左腕は使えぬうえ、肋骨も何本もいっているそうだ」
銀時「それで、も…いかねェーと…ッ」
桂「やめておけ。その怪我で行ったところで死ぬぞ」
布団を握り締め、痛みを耐えながら何とか上半身を起き上がらせる。ヅラの言った通り、片腕は上がらねーし、動くたびに激痛が走る。
銀時「Aが…待ってんだッ…こんな所で寝てられねェ…!」
それに…新八も神楽も助けねぇーと…
桂「…………またAか。…銀時、池田屋の時にも伝えたが、Aは死んだんだ。それに真選組に女子は居らん
──彼女の亡霊を追うのはもうよせ」
ヅラの言葉に一気に頭に血が昇る。体の痛みを忘れ、感情のままにヅラの胸ぐらを掴み上げた。
銀時「アイツは亡霊なんかじゃねェ!!!」
桂「お前の気持ちを汲めば…十年の月日でもAを忘れられないのかもしれん。それは分かるが…だかな銀時、認めなければAは」
銀時「アイツは真選組として今でもちゃんと生きてんだよ!!!」
まるで現実を見ろとでも言いたげに俺を見る。ヅラが信じられないのも…無理はねぇ。けど、ちゃんとアイツはこのかぶき町で生きてんだ。
あの時と変わらない笑顔で、ちゃんと生きてる。
銀時「吉田Aじゃない」
桂「 ?…何を言って」
銀時「中沢A…今のアイツの名前だ」
桂「!!?…中沢…A…だと?」
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うさきよ - 面白いです‼ (9月1日 1時) (レス) @page42 id: 55ad19f9cc (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 砕けちゃいかんでしょう(笑)それから、本当に更新してくださりありがとうございます! もう一度最初から読ませていただいたのですが・・・やっぱりこの作品が大好きです! これからも頑張ってください (2022年8月24日 17時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - konさん» kon様コメント有り難う御座います。幸せです。うぅー(泣)優しいお言葉ありがたい(´;Д;`)目から汗が…。沢山妄想はしてるのですが…なかなか文字に起こさなくなってしまって。書いて消してを繰り返してました。でも、これからは当たって砕けろで更新します!(笑) (2022年8月24日 1時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
kon(プロフ) - 一気読みさせていただきました! すっごく面白くて最高です!! 本当に毎日更新なんていいません、どうかお体に気をつけて更新頑張ってください! (2022年6月21日 16時) (レス) id: e47e7d9c51 (このIDを非表示/違反報告)
迷い猫(プロフ) - れいさん» おぉぉお!!コメントありがとございます😭そーなんです、ぼちぼち明かして行こうと思ってますッ!!応援よろしくお願いします🙇♀️ (2022年6月19日 0時) (レス) id: b045a615ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷い猫 | 作成日時:2022年5月17日 19時