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「ら、
ショッピさんからレモン飴を食べながら、これ以上無駄に心配させないようにと、笑って誤魔化した。そしてショッピさんの手を引いて、次行こう、と催促する。
こんな偶然、あると思わないじゃん。
熱くなっていた頬は、帰る頃には冷めていた。
今度はこの水族館デートをきっかけに、休みの日はよく二人で出掛ける事も多くなった。(ショッピさんから誘われるのが殆どだけど)
ただ、その度に何故かショッピさんがキラキラして見えちゃうし、当の本人は私を甘やかしてくるから、上手く目線を合わせる事が出来なかった。
そうやって浮き足立っていた私は忘れていたんだ。
「営業部の藤堂さんと経理部の佐藤さんって付き合ってるらしいね」
「やっぱその噂本当なの！？」
ある日のお昼休み。
待ち合わせのロビーに行く前にトイレに寄ったところ、女性社員達がそう噂していた。
個室から出るに出られず、ただ聞くことしか出来ない私。学生時代もこういう場面よくあったなぁ。よく悪口言われてた。
だから今回も悪口か何かだと思っていたら。
「いやだってさ、佐藤さん元々お洒落だけど、ここ最近磨きかかってるし」
「分かる〜。しかも藤堂さんの対応してる時の佐藤さんの表情見たことある？」
「え、何々」
「めっちゃ笑顔なの！ いつもあれだけ笑顔だったら、近づきやすいんだけどなぁ」
…割とそうでも無かった。
「まぁ、それでも佐藤さん美人だし、勝ち目無いわ」
「あーあ。私、藤堂さんの事本気だったのに。何とかして付き合っちゃえば良かった」
その一言に、私はある事を思い出す。自分は仮の彼女だということを。
彼女らは用が済んだのか、別の話題に変えてトイレから出て行った。
静かに個室のドアを開け、手を洗って、リップを塗り直す。鏡を見てチェックしようとした時見た自分の表情は、酷いものだった。
眉間にシワは寄っているし、今にも泣きそうな目。
いつから私は勘違いしていたんだろう。
「…私は仮、」
そう呟いて何でもないフリと笑顔でショッピさんのところへ向かった。
この空虚な気持ちを無視したまま。
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なゆり(プロフ) - カナさん» ありがとうございます！そう言っていただける事が本当に励みです…！！次の作品でもよろしくお願いします。 (2020年1月27日 4時) (
レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 完結おめでとうございます！！遅くても次の作品も楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！！ (2020年1月26日 23時) (レス) id: 06469c67db (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - 紫紅兎さん» 臓器破裂！？笑 私の方こそ拙い作品ですが、読んでくださってありがとうございます！少しずつしか書いていけませんが、これからも読んで頂けると嬉しいです！ (2020年1月19日 6時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
紫紅兎(プロフ) - あぁぁぁぁぁ臓器破裂しますぅぅぅぅぅえ、もうこの作品作ってくれてありがとうございます…私はもう逝きます…更新頑張って下さいね… (2020年1月18日 23時) (レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - さとう。さん» さとうさん、ありがとうございます！そう言って頂けて、本当に嬉しいです…；； こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2019年12月16日 5時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なゆり | 作成日時：2019年9月17日 21時
