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「えっ何！ かわいい！ 泳ぐの早っ！！ すごーーい！！」
アクリルガラス越しに見るペンギンに興奮して語彙力が溶けてるAさん。
元々語彙力が豊富ではないと電話の時に言ってはいたが、これほどまでとは、とつい面白くて表情が緩む。
誤解をされないように一応言っておくが、決してAさんを馬鹿にしている訳ではない。
自分とは違って素直に言葉を出している事が新鮮で、そんな風に言えるのが彼女らしくて、とても愛おしい。
そんな愛おしくて堪らない彼女を眺めていると、いつの間にか満足したようで、「次行こ！」と純粋無垢な少女の目をして俺の手を掴み前を歩く。
傍から見ればカップル同士が手を繋いでいる。そんな状況だが、当の本人はそれすらに気付いていない。
以前からAさんの無意識の行動には驚かされてばかりで、これを他の男にしていたらと考えると気が気じゃない。
「っ、！！」
繋がれている手を恋人繋ぎに変えてみると、突然、彼女は立ち止まった。
さっきまで魚の方に向いていた彼女の意識が俺の方に向いた瞬間だった。彼女の耳と首元は真っ赤になっている。きっと顔も真っ赤なんだろう。
“嬉しい”
その言葉が頭中を埋め尽くす。
心と頭は既にAさんで一杯なのに、それが溢れ溢れそうな域に達している。
あー…、ほんまどうしてくれるんやろ。
*
少しだけ冷たかった指先がじわじわと熱くなっていく感覚を覚え、それに羞恥し、さらに熱くなっていく。
今、ショッピさんに顔を見られちゃ駄目。だって、指先だけでもこんなに熱いんだから。顔だって林檎みたいに真っ赤になってるに決まってる。
今だけは見ないで欲しい。
そう心の中で願うも、そんな願いは儚くも散った。こういう時、ショッピさんは絶対私の顔を見る。
「ぅあ…、えっ、と…ですね…、」
顔が赤い理由を必死に探すけど、全く言葉が見つからない。
推しに恋人繋ぎをされてドキドキしちゃって、どうにかなりそうなんです！ なんて素直に言えたもんじゃない。
頭の中でぐるぐる、ぐるぐる言い訳を考える。
「はい。何ですか、Aさん」
意地悪な顔をして、わざと敬語を使って、顔を近づけ、そう話すショッピさん。
______あ、だめだこれ。
「む、無理ぃ…」
「ちょ、Aさん！？」
キャパオーバーになった私の脳は気絶という手段を使って考えることを放棄した。
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なゆり(プロフ) - カナさん» ありがとうございます！そう言っていただける事が本当に励みです…！！次の作品でもよろしくお願いします。 (2020年1月27日 4時) (
レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 完結おめでとうございます！！遅くても次の作品も楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！！ (2020年1月26日 23時) (レス) id: 06469c67db (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - 紫紅兎さん» 臓器破裂！？笑 私の方こそ拙い作品ですが、読んでくださってありがとうございます！少しずつしか書いていけませんが、これからも読んで頂けると嬉しいです！ (2020年1月19日 6時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
紫紅兎(プロフ) - あぁぁぁぁぁ臓器破裂しますぅぅぅぅぅえ、もうこの作品作ってくれてありがとうございます…私はもう逝きます…更新頑張って下さいね… (2020年1月18日 23時) (レス) id: fcae62d2ac (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - さとう。さん» さとうさん、ありがとうございます！そう言って頂けて、本当に嬉しいです…；； こちらこそ、これからもよろしくお願いします！ (2019年12月16日 5時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なゆり | 作成日時：2019年9月17日 21時
