じゅっこめ。 ページ10
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夕食の下準備が出来たが、夕食まで時間が余ったので図書館へ向かう。私は本を借りていないが、グルッペン様から自分が借りた本を返すように指示をされた。
これくらい自分で行って欲しいものだ。こう思いながら図書館の扉を開けると、図書館独特の匂いが鼻の奥を通っていく。
______ガラガラ、
横開きになっている扉を閉めて、ここの図書館を管理しているエーミール様を探す。すると、珈琲を飲みながら本を読んでいる姿を見つけた。
この時の姿は様になっているのになぁ、なんて思いつつ声をかける。
「エーミール様」
そっと声をかけると、しおりをページに挟んで閉じたエーミール様。今読んでいた本のタイトルを見ると『檸檬』と異国の字で書いてあった。
何て読むんだろう、これ。
「おや、Aさん。どうされました？」
「グルッペン様にこれを返すようにと」
「あぁ、歴史書ですね。自分で返しにくればいいものを…」
呆れ笑いをするエーミール様。分かります、この気持ち。
「そういえば、今お読みになられていた本は何て読むのですか？」
「あぁ、これはレモンと読むんですよ。異国の本なんです。良かったら今度お貸ししますよ」
「ありがとうございます」
私がそう答えると、優しく微笑み席を立つエーミール様。何をするのだろうとそのまま眺めていると、マグカップを取り出し始めた。
これはもしや…。
「私がやります！」
「いいえ、駄目です。
私が席から立ってエーミール様の元に駆け寄ろうとすると、にこやかに笑って、私に座って待っているように言う。
そんな事を言ってくれるのはエーミール様だけで気持ちは嬉しいが、今はそういう場合じゃない。
エーミール様は不思議なくらいおっちょこちょいで、よく何もないところで転んでいたりする。そして、こういう時に限って必ず起きるのが…。
______バシャッっ、
珈琲を淹れたマグカップを持ったエーミール様が転んだ弾みで、中身の珈琲を頭から被った私。
これが十個目の悩み事。
エーミール様のおっちょこちょいに巻き込まれる事。ぽたぽたと頭から落ちてくる珈琲。それを見て顔を真っ青にするエーミール様。
「すいませんAさん！！」
「い、いえ。大丈夫です…」
エーミール様が急いで持ってきたタオルで頭を拭きながら、いつになったら巻き込まれなくなるんだろうと考えた。
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ライク - んおおおおおお!すききききききききききききききききききききききききき (2019年10月3日 23時) (
レス) id: c1d37a3d16 (このIDを非表示/違反報告)
なゆり(プロフ) - レンマさん» レンマさん、初めまして！ お気遣いありがとうございます…！ そう言って頂けて本当に嬉しいです。次回作は今、話を練ってる途中なのでもうしばらく待っててください、笑 今後ともよろしくお願いします！ (2019年9月18日 17時) (レス) id: fc164f5bf0 (このIDを非表示/違反報告)
レンマ - 次の話を楽しみにしながら読ませてもらいました！ 次回作も勿論とｯｯｯても楽しみに待ってますからね！！ 体調など崩さないようお気をつけて下さい、応援しています。 (2019年9月17日 22時) (レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なゆり | 作成日時：2019年8月30日 21時
