松田刑事の従姉妹ちゃん兼彼女さん 〜ハロウィンの花嫁〜

カボチャが八つ ページ13

巻side



目が覚めると、私は陣平の膝に頭を乗せて寝かされていた。
……え、陣平の膝！？

軽くパニックになって体を起こし、陣平を見ると、驚いたように目を見開いた後、ギュッと抱きしめられた。


陣平「よかった……！！」


状況がよく分からない私が、頭にはてなを浮かべていると、陣平の隣にいたらしい、萩くんも気づいたようで。

萩「巻ちゃん！！起きたんだね！痛いところない！？」

真っ先に私の心配をしてくれる。



巻「かすり傷と、少し背中が痛むだけ。打ちつけたからだと思う。
……それより、爆発について教えてくれない？」

そう言うと、二人は出来事について詳しく教えてくれた。
そして、外国人と小五郎さん、私の救急車がもうすぐ来るそうで、待ってろと言われたが……。



巻「(この爆発……なんか引っかかるるんだよなぁ……)」

このままこの場所に留まっていたほうがいい。
私の本能がそう告げている。



巻「私は大丈夫だから、ここに残る」

陣平・萩「「は！？」」

バカ！爆発に巻き込まれたんだぞ！？と怒る陣平に、
怪我人だよ！？無理しちゃダメなの！！と心配してくれる萩くん。


巻「この事件……少し引っかかるんだよ。ただの警視庁に対するデマとか、テロだとか、そういうものじゃないと思う」

真剣な顔をして二人に告げる私を見て、萩くんは渋々納得してくれ、陣平はその後も説得して何とか許しを貰えた。




萩「あ！」

巻「どうしたの？」

突然、萩くんが思い出したように声をあげるもんだから、ビックリしてしまった。
目暮警部に巻ちゃんが起きたこと伝えなきゃ！と立ち上がる萩くん。


萩「目暮警部に伝えてくるから、巻ちゃんはまだ休んでて！」

と、走って目暮警部のところに行ってしまった。




陣平「……萩だけじゃなくて、新一も蘭も、みんな心配してたんだからな」

萩くんが走っていってから数十秒後。

ムスッとそう言われた。
……本当に申し訳ない……。

巻「ごめんね？」

眉を下げて言うと、「守れなくてごめん」と謝られる。



巻「え？」

陣平「彼氏なのに、いつも一緒にいる仲なのに、いざというとき守れなくてごめんな」

絞り出すように声を発する陣平が、まるで傷ついた子犬のようで……

思わずギュッと抱きしめてしまった。


陣平「な！？」

巻「言ったでしょ……いなくならないってね。それに、私の事守らないでいいよ、その分を幸せを貰ってるから！」

にっこりと告げると、彼も嬉しそうに笑ってくれた。

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