松田刑事の従姉妹ちゃん兼彼女さん 〜ハロウィンの花嫁〜

カボチャが二十五 ページ34

零『君の推理通りさ。あの日……』




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帰り道、陣平と私は零の車に乗った。

陣平「渋谷駅で降ろしてくれ」

零「悪いが送るのは駅の手前までだ」


渋谷駅に向う車は、赤信号で止る。


陣平「そういや諸伏や巻と同じく、人目についちゃあいけねぇ立場だったな」

助手席に座った陣平は、きょとんとした顔をした後、意味が分かったようで。




その間に零はどこかをみている。視線の先には……。

見ていたのは雑居ビル。


パトカーが一台目の前に止まっている。

また、通行人と二人の警察官が何やら言い争っているようで……。




零「どうやら仕事のようだな、刑事さん？」

陣平「ったく、なんて日だ！」

巻「あは……」





陣平と二人で苦笑いをしながら車を降りる。
ちなみに零は車を停めている。

陣平は、警官たちに警察手帳をみせると、ビシッと敬礼される。



陣平「どうかしたのか？」

警官「はい。この雑居ビルに誰かが入り込んで暴れていると通報があったのですが……」


一人の警官が説明を始める。

所有者の許可もなく立ち入るのもどうかと思ったらしく、中に入ってないんだって。




陣平と私は、二人の警官を押し退けて中に入る。

警官「いいんですか！？」

呆気に取られている警官をよそに、零も遅れてビルに入ってくる。



零「班長とヒロも一応のため応援に呼んでる。すぐ来るってさ」

巻「ありがとう、それにしても……随分荒れた部屋だね。ゴミとほこりとガラスの破片だらけだよ」


転ばないように気をつけながら、ガラスやらなんやら散乱している床を歩く。



巻「……ねぇ。あそこの部屋、エアコンのような音がするし、少し扉開いてるような」

私は六階のほうを指差す。
私の言葉を聞いてみんなで一斉に扉の前へ。



最初に零が中を覗いたのだけれど、そこには配管パイプに両手を縛り付けられ意識を失っている男性がいた。


零「気を失ってるみたいだ。」

巻「頭から血……殴られたのかな」

陣平「日本人じゃねえな……おい。大丈夫か？」


陣平の言葉に目を覚ました男性は私たちを見て怯えた表情になる。


「落ち着け。俺達は刑事だ。刑事だ、け・い・じ！分かるか？」

警察手帳をみせながら、わかりやすいように大声で説明をする。

よくわからないが、味方だと言うことはわかったのだろう。
安心したような表情になった。

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