4ヶ月後に会いましょう ページ34
マツバsaid
「……っ!……あれ、私何で…?」
気がつくと、過去の夢を見て起きた私の目から、涙が次々と溢れてきた。
目元を押さえても、全然止まらない。
今回の夢は、私達一家がウィンター町に引っ越したばかりの頃だった。
家族以外の多くの人達に優しくされたのは、その時が初めてだったので、嬉しかった。
その気持ちが蘇ったから、今こんなに泣いているんだと、私は思った。
すると、庭からラジオ体操の音楽が聞こえてきて、私は庭へ向かった。
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私はスーツケースを持って、ウィンター駅へ向かう。
隣には、私と一緒に帰るカツ兄ちゃんもいる。
そして、やはりというかウィンター町の人達も、家族と一緒に着いてきた。
「じゃあな。カツ、マツバ!楽しい学校生活を送れよ?父さん、応援してるからな!」
「2人とも、くれぐれも体には気をつけてね。特にマツバ!あなたは疲れやすいんだから…。」
お母さんがブツブツと私に言った。
ふと、2人のお兄ちゃん達やキクバの方を見ると、やれやれといった顔で私達を見ていた。
逆に、ユキバとチャバは寂しそうな顔で見ていた。
数分経ち、【ミラージュ学園駅】行きの電車がやってきた。
この電車は行きの電車とは反対で、水色の地に青色のラインが描かれたボディをしている。
私達は電車に乗り込み、みんなの姿が見える窓側の席に座った。
手を振る兄妹達に手を振り返すと、電車がゆっくりと出発した。
速度は次第に速くなっていき、兄妹達が走って電車を追いかけていた。
「じゃあな、2人とも!ミラージュ学園での生活、思いっきり楽しめよ!」
「じゃあね、2人とも!なんだかんだ言って、結構楽しかったよ!」
ヨシ兄ちゃんとキクバが叫んだのを最後に、みんなの姿は見えなくなっていった。
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スマホをいじっている私に、カツ兄ちゃんがふいに言った。
「なあ、お前結局いじめられたこと言わなかったけど、これで良かったのかよ?」
「うん、もう終わったことだし。後ろばっかり見ていちゃ、前へ進めないし…。」
カツ兄ちゃんはため息をついてから、スマホをいじり始めた。
その後は駅弁を食べたり、昼寝をしたりして過ごした。
次に家族と会うのは、4ヶ月後の冬休みだ。
家族よ、また4ヶ月後に会いましょうー。
coming soon…。
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作者名:羽衣 | 作成日時:2021年4月2日 21時