烈風を駆け抜ける葵 (ページ16)

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欠席の生徒ページ16

マツバsaid

「……はっ！……なんだ、夢か…。」

今度は、7歳の小学1年生の時の夢…。

あの夢は、お父さんから会社の倒産を伝えられた時だったな…。

時刻は4時30分。前回起きた時刻よりも30分早い。

ここまでくると、いつも6時に起きる私にとってかなり早い時刻…。

私は小説を読んで眠くしようと思ったが、全然眠れぬまま朝を迎えた。

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あれから2ヶ月後。

7月上旬になり、暑さは6月(梅雨)の時よりもさらに増していた。

「はぁ～暑い～。こんな暑さ、いつまで続くの～？」

「死にそう～。天気予報だと、9月末まで続くらしいよ～。」

地獄だね～と言い合う2人を横目に、私は教室で設置されている2つのクーラーを見た。

この学園は辺りに水が澄み渡っているため、すごい暑いという訳ではない。

しかし、教室がけっこう広いため、廊下側と窓側のそれぞれにクーラーを設置しているのだ。

でも私達3人は、席替えのくじ引きでクーラーより遠い窓側の席になってしまった。

その席は夏や冬になると【地獄の席】と呼ばれ、夏は暑く、冬はストーブがあるけど寒くなる。

そして担任の先生が来て、帰りの会が終わって、スノウとバハと帰ろうとした時だった。

「マツバ・アリエスさんはいるかしら？少し頼み事があってね…。」

隣のクラスー。ニンゲンのクラスの先生が私を呼んでいた。

私は先にスノウとバハを寮へ帰らせて、先生のいる教室へ入った。

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「アリエスです。それで、何の頼み事でしょうか？」

「アリエスさん、あなたは堂屋敷伊吹くんと仲が良いでしょう？」

堂屋敷伊吹くんー。同じ学年の子で、アルビノの男の子だ。

「はい、仲が良いですけど…。伊吹くんがどうかしたんですか？」

「アルビノは光に弱い…っていうでしょ？今は夏だから日差しも強いし、今日からオンライン授業を受けていたの。ただ、それだと理解が少ないから…。それでアリエスさん、放課後に伊吹くんの部屋に行って、勉強を教えてほしいの。」

お願い、と頼み込む先生の目を見て、私は言った。

「お任せください！私が伊吹くんの力になります！」

「ありがとう、助かるわ！」

先生は、満面の笑みで私に微笑んだ。

私は「失礼します！」と教室のドアを閉め、伊吹くんの元へ向かった。

coming soon…。