ドタバタの午前中 ページ2
マツバsaid
1時間目は魔法史だった。
みんなは魔法史の教科書や資料集、ノートや筆箱を持って1年の教室を出る。
私はスノウとバハと一緒に、魔法史の先生が待つ教室へと向かった。
「魔法史ってつまんないよね〜。面白い時代と面白くない時代の差が激しくて…。」
「そうそう。あっ、あと持ってくる教科書が重いよね。これは1年から3年までだけど…。」
「ねっ！」と息を合わせるように話す2人を見て、私は気が遠くなりそうだった。
よく私は話すのが早いって言われるけど、この2人の方が早いんじゃないかなぁ…？
そう思いながら、私達3人は教室へと入った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「紀元前3世紀。この時代には魔法に使われる杖が発明され…。」
50代初老のおじさん先生が、ニュースの天気予報で使われる棒で説明していく。
杖に使われる材料がこの時はたくさんあったんだ…。
そう思いながら、シャーペンでノートに書き込んでいく。
ふと横を見ると、スノウはシャーペンを鼻に乗せぼーっとしていた。
さらにスノウの横にいるバハを見て、私はギョッとするとともに、慌てた。
なんと、バハが手で火の魔法で遊んでいたからだ！
「ちょ、ちょっとバハ。それはやめた方が…。」
小声でバハを止めようとした次の瞬間…。
「あーっ、もうつまんないっ！みんな、それぞれの魔法を使って遊ぼうよ〜！」
そう叫び、火の魔法を天井に上げた。
天井の炎がゴウゴウ…。と燃え広がっていく。
「面白そうだな！」
「やろう、やろう！」
と、みんなが次々と魔法を披露していく。
この光景には、私だけではなくスノウさえも唖然としていた。
先生も最初はポカーン…。としていたが、すぐに正気に戻って怒った。
「おい君たち！今すぐに魔法をやめたまえ！」
そう叫び、先生の水魔法で魔法を使っている生徒全員に水を浴びせさせた。
「魔法を使った全ての生徒は今すぐ生徒指導室に来るように！」
先生の後を追いながら、魔法を使った生徒たちがとぼとぼと歩いていく。
ちらっと横を見ると、ずぶ濡れになったバハを見て、スノウが声を殺しながら笑っていた。
先程の騒がしい雰囲気とは打って変わって、教室はしん…。と静まり返っていた。
私は心の中でため息をつきながら【これが私の現状なのか】とまた心の中で悲鳴をあげた。
coming soon…。
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作者名：羽衣 | 作成日時：2021年4月2日 21時
