【橙】指輪をふたつ (ページ5)

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5つ目の指輪ページ5

朝起きるとメッセージが来ていた。

てつやAさん、
また今度遊びましょうね!

土曜日の朝からニヤける
私は傍から見たら変態。
でも、てつやさんは
面白い人だから是非友達になりたい。

Aはい、是非また!

早く会いたい。
もっと楽しい話がしたい。
ただ純粋に心からそう思った。

その後、毎日のようにてつやさんは
店の前を通った時手を振ってくれた。
その隣にいるのは大体個性的な男性達、
時々可愛らしい女の人だった。
でも、毎回違う人だったから
慎重に次付き合う人を選んでるのかなと
1人で考える。
本人から聞いてないから正解かなんて
分からないけど何故か当たってるような気がした。

気付けば毎週金曜の夜は
てつやさんと飲みに行くのが
定番になっていて、相談されてばかりだった。

でも、今日は少し雰囲気が違った。

「てつやさん、どうかしたんですか？」

「彼女が出来ない。
遊んだ後に毎回言われるんです。
貴方はきっと浮気するって。
そりゃ風·俗は行くかもしれないけど
浮気はしない自信があるんです。
なんででしょう？」

たしかに私が見てきた限りは
てつやさんはとても一途そうな人であった。
私はそう思わないけど
他の人は何か感じるのだろうか。

「てつやさん、もしかして
自分でも気付かないうちに好きな人
出来たんじゃないです？」

「んー、そうなのかも。」

へにゃっと笑うその顔を
見てるとなんだか目が熱くなった。
なんでか分からないけど
このままてつやさんと飲んでたら
自分でも知らない何か(本音)を
話してしまうのではないかと
怖くなった。

「そうなんですか。
あ、そろそろいい時間ですね。
かえりましょうか。」

このままじゃまずい、と思い
席を立とうとしたらそれを阻止された。

「もうちょっと、ね？」

その声を聞いてからてつやさんに
腕を掴まれたのだと気付いた。

「ずるい...」

その顔で言われたらOKするしかない。
こういう所が浮気するって思われるのかな。

来週からは本格的な恋愛相談に
なりそうだなと思うと胸が張り裂けそうになった。