【橙】指輪をふたつ (ページ2)

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2つ目の指輪ページ2

あれ、あのお客さん
あれからもう30分くらい
選んでるのにまだすんごい顔して
指輪をどっちにするか悩んでる。
きっとそれほど彼女さんのことが
好きなんだろうな。
少し声をかけてみるか。

「あの、どうしても決まらないようでしたら
彼女さんのお顔の写真を
見せて頂けませんか？」

「わかりました。
えーと、これですね。」

その写真に写る女性はとても
可愛らしい人でこの人の隣に並んでる
姿を想像することが出来なかった。

「彼女さんの顔に似合いそうな指輪は
こちらではないでしょうか？」

「んー、確かに。
じゃあこっちにします！」

少しシンプルなデザインの方が
彼女さんの可愛らしさに似合いそう。
この仕事をやっていると
指輪のデザインに合いそうな顔の人を
考えられるようになった。

「何かお名前や日付など彫りましょうか？」

「あー、日付はなしで
名前はてつやとあんなっていれてください。」

あんなちゃんとてつやさん。
あとでメモ帳に書いておかなきゃ。

「AnnaとTetsuyaで
お間違えないでしょうか？」

「はい、大丈夫です」

「注文から受け渡しまで
最低でも1週間かかるのですが、
何時頃取りに来れそうでしょうか？」

「えーと、来週の月曜日の
午後4時頃に伺います。」

月曜日に来るなんて珍しい。
お仕事月曜日はないのか？
それとも働いてないのか？
流石に前者だとは思うが
後者も十分有り得る容姿をしてるので
なんともいえない。

「はい、お待ちしております！」

プロポーズ、上手くいくといいですね。

てつやさん。