【鬼滅の刃】精霊遣いは鬼滅の刃の世界に来たけど、原作ぶっ壊れ過ぎて混沌だった！

其ノ参拾弐　笑顔の三姉妹 ページ33

sideA

部屋を出てカナヲを探すと、カナヲは錆兎と真菰と一緒に部屋でお茶を飲んでいた。
私が部屋の扉を開けると、三人はびっくりしたような空気を出した。
錆兎と真菰に関しては、私の肩を掴んで何があったかと言ってきた。
言ったら怒られそうだなぁ。
ということで、今回は二人の言っていることをスルーして、カナヲに手招きをした。
カナヲは一瞬キョトンとした顔をして、此方にやって来た。
私はそっとその手を握って、部屋から引っ張って歩く。
後ろから、錆兎と真菰も空気は不満そうな、ちょっと暗い空気だけど、ついて来てくれている。


「A…何処行くの？」


「もう着くよ。…ほら」


カナエさんの部屋の前に来ると、カナヲは驚いたような空気を僅かに出して私を見た。
私は笑って、扉の取手に手を掛けて開けた。


「カナヲ、Aちゃん、錆兎君に真菰ちゃん、おはよう」


そう言って微笑むカナエさんは、一週間前と同じように笑っている。
ううん、一週間前よりずっと空気が明るく澄んでいるな。
隣にいるしのぶさんは泣いたのか目の周りが少し赤い。
後で冷やした手拭い持って来よう。
カナヲはどうしたらいいのか分からないのか、ずっと俯いている。
それと同時に握った手がきゅっと締まるのが分かった。
私はそれに応えるように握り返して、カナヲをカナエさんの側へ促して、手を離す。

頑張れ、カナヲ。


「カナヲ、どうしたの？」


カナエさんもしのぶさんも少し戸惑った空気を出している。
カナヲは私の方を向いて、不安気な空気を漂わせる。
大丈夫、カナヲなら出来るよ。
私はその意味を込めて頷く。
カナヲは私の伝えたい事が分かったのか、何かを決心したような顔で二人の方へと向き直った。


「カナエ…姉さん…」


「「！」」


「おかえり、なさい。それから…おはよう…！」


すると、二人の空気が凄い明るく華やかなものに変わった。
凄い…。
カナエさんに関しては、周りに花が舞ってるみたいに見える…。
此方からだとよく見えないけれど、多分今カナヲは笑顔なんだろうなぁ。
そんな事を考えていると、右手を錆兎、左手を真菰が握った。


「何があったのかは、今は聞かない」


「でも、三人の笑顔を守ったのは分かるよ」


「「ありがとう。お疲れ様」」


「えっ、あ、ありがとう？」


何故か優しい空気の二人に握っていない手で撫でられた。
撫で方も優しいなぁ。
その後、私達は三人がお互いに抱きしめ合っているのを微笑ましげに見ていた。

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