【鬼滅の刃】精霊遣いは鬼滅の刃の世界に来たけど、原作ぶっ壊れ過ぎて混沌だった！

其ノ弐拾壱　お家に帰ろう ページ22

「そろそろ帰らなくちゃ」


そう言って立ち上がると、五人も立ち上がった。
しのぶさんは、あっそうだ、と言って、何処かへ行ってしまった。


「暇があったら、今度俺の屋敷に来いよ！俺の女房達を紹介してやる！お前らのことも紹介したいしな！」


「是非お願いします！」


宇随さんは相変わらず元気に言った。
その後、頭をわしゃわしゃと撫でられたのは、びっくりしたけど嬉しかった。


「修行したくなったらいつでも来るといい。歓迎する…」


「ありがとうございます！」


悲鳴嶼さんは先程まで出てなかった涙を流しながら、言ってくれた。
その後、しのぶさんが簡易救護セットを持ってきてくれた。


「無くなったら、補充しに来てください」


「分かりました！ありがとうございます！」


蝶々の模様のついた可愛らしい救護セットを受け取った。
うん、家宝にしたい。
そして、玄関のところで、カナヲちゃんに手を握られた。


「カナヲちゃん？」


「カナヲ」


「へ？」


私は何を言っているのか分からず、首を傾げると、カナヲちゃんは目を逸らし、頬を朱に染めて言った。


「カナヲって、呼んでほしい…」


虚無感でいっぱいだったカナヲちゃんしかアニメでは観てこなかった私は、感動でとても嬉しかった。
自分の意思で伝えてくれて、胸がいっぱいだった。
私はしっかりその手を両手で握り返して言った。


「うん！これからも仲良くしてね、“カナヲ”！」


「！うん」


こうして私達は蝶屋敷で其々の帰路についた。
…それにしても…


「どうして、錆兎と真菰はあまり話さなかったの？」


「だって、柱様の圧というか、雰囲気が凄かったから…！」


「平然と話していたAが凄い。…俺はもっと強くなって漢にならなければ…」


「錆兎は結局其処に辿り着くんだね」


私と真菰は顔を見合わせて笑う。
すると、錆兎が訝しげに此方を見る。


「何だ、二人して」


「「何も〜！」」


そして、三人で今日の夜ご飯の内容について話し合った。

夜眠れず、縁側に座り、夜風に当たりながら、思いふける。
今日は、濃く楽しい一日になったな。
でも、楽しい日々だけじゃない…。
いつかは分からないけれど、カナエさんを助けなければいけない。
あんな優しい人を亡くしたくない。
あんな悲しみをしのぶさんやカナヲにさせたくない。
私は掌を握り、星空を見上げた。

強くなろう。もっと、もっと。

誰かを一人でも多く幸せにできるように。

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