【鬼滅の刃】精霊遣いは鬼滅の刃の世界に来たけど、原作ぶっ壊れ過ぎて混沌だった！

其ノ拾陸　小さな我儘 ページ17

「私にはそれしか無いと思っています」


それはつまり、鬼殺隊に入って鬼を狩るしか、生きる術が無いってこと…？
まだこんなに幼いのに、こんな意志の強い目をしているAちゃんがすごいと思うのと同時に、心が痛んだ。
私達はお館様は口に出さないものの、察している。
この子の御両親は既に亡くなっていると。
でなければ、鬼狩りなんて、危険なことをさせるわけがない。


「…そうか。なら、その意志を尊重してもいいかい？」


「？はい」


Aちゃんは、お館様が悲しそうに笑うのを不思議そうにしながら頷いた。
そんな彼女に、お館様はまだ鬼殺隊に入らなくていい仰った。
Aちゃんは頷いた後、はっとしてお館様の方を見て言った。


「伯父様。これからは、此処に来てお話をしたり、聞いたりしたいです。これからの為にも生かせると思うので」


それが精一杯の甘えなのかしら。
その目は先程とは違って、子供らしい目をしていた。
こんな表情ができるのね。
お館様は少し考えた後、頷いて了承した。


「我儘を聞き入れて頂き、ありがとうございます」


我儘なんて、小さい子は沢山していいのに、頭を下げて感謝しているAちゃんは、少し申し訳なさそうだった。
お館様に聞き入れて頂いたから？
でも、御親戚ならそれぐらい構わない筈なのに…。
お館様は此方を見て言った。


「皆もいいかな？特別扱いになってしまって申し訳ないけれど」


Aちゃんは顔を上げて、不安そうに私達を見る。
そんなに不安そうにしなくても大丈夫よ。
私はそんな意味を込めて、頷く。


「皆様、ありがとうございます！」


沢山甘やかしてあげたいわね。
あ、しのぶとカナヲにも紹介して一緒に可愛がるのもいいかもしれないわね。
これからどうぞ宜しくね、Aちゃん。

其ノ拾漆　柱の自己紹介→←其ノ拾伍　大人びた女の子

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す