【鬼滅の刃】精霊遣いは鬼滅の刃の世界に来たけど、原作ぶっ壊れ過ぎて混沌だった！

其ノ肆　常中と精霊ノ棲ミ家 ページ5

ぱちぱちと燃えている家の上空に漂っている上弦の鬼は、まだこちらには気づいていないみたいだ。
けれどきっと、気づいたら殺しに来る…！
両親の思いを無駄にしないためにも、今はお母様の指示に従って、藤襲山の方へ行かないと…！
私は、再び前を向いて走り出した。


走り出してから、数時間。
私は気づいたことが一つある。
全然疲れないんですけど？！？！
え？私、こんな体力おばけだったっけ？！
そして、足がバカみたいに速い。
前世の私と比べたら、全くの別人だ。
ふと、前にお父様にある稽古をつけてもらった時のことを思い出す。


『A、全集中の呼吸 常中を知っているかい？』


『常中…？』


『嗚呼。常に呼吸をすることだ。たとえ寝ていてもだ』


『うーん…難しそう…』


『確かに難しいが、その分思う存分力を発揮できるんだ』


その日から常中の特訓をひたすらしていたっけ。
夜中に何度も起こされたよ…。
特訓は大変だったけど、現在進行形で大助かりしてるから、習得して良かった！！
常中凄い！！！！
ふと、私は何か空気の変化を察して、足を止めた。
すると、私の真上を飛んでいた鎹鴉が一鳴きした。


「ココデ止マレー！！ココガ目的地ノ精霊ノ棲ミ家デアルー！」


ここが？
お母さんが言っていた場所はここだったの？
周りを見渡すと、そこは今まで感じたことのないくらい空気が澄んでいて、心地よかった。
とりあえず、鎹鴉に伯父さんに連絡を頼む。
鎹鴉を見送った後、奥に進むと、一軒の民家を見つけた。
中に入ると、昔使っていたとは思えない程綺麗で、驚いた。
そして、仄かに、普通の人には分からないくらいだけど、お母様の香りがした。
そういえば、お母様は以前、精霊ノ棲ミ家のことを話してくださったっけ。


『A、精霊達は何処に住んでいると思う？』


『え？うーん…。森？』


『当たりよ。そして、その中で精霊達が沢山住んでいて、普通の人間には知られていない場所があるの』


『そうなの？一体何処？』


『“精霊ノ棲ミ家”よ。私の住んでいた所でもあるの』


ここがお母様の家なんだ…！
そう思うと、胸を踊らさずにはいられなかった。
家をぐるっとした後、私は縁側に座って、外をぼーっと見ていると、眠気が襲ってきて、そのまま私は意識を手放した。

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