手話 ページ32
後ろの壁まで人でいっぱいだったのが、みんな前に押し寄せて後ろはガラガラ。
数人の人が壁にもたれてビールを飲みながら見てるくらい。
私達も端っこの壁際で見ることにした。
パッと照明がついてメンバーが出てくる。
大倉さんや丸山さんはお客さんに手を振りながら出てきてて、章大くんや他のみんなは見向きもせず楽器の準備をしてる。
柊「ドキドキするね！」
『うん(笑)！』
ライブの章大くんは、いつものふにゃふにゃな感じと違ってちょっと冷たい感じ。
けどそれがまたカッコよくて、、
そんな彼に見とれてたら、
ギュイーン！ってギターを歪ませたのを合図に曲が始まった。
お客さんもガンガン跳び跳ねてて、床から振動が伝わってくる。
・
『あ、、どうしよ(汗)』
すばるくんが歌い出してから、章大くんが2階を見たけど、私が居なくて"あれ？"って顔してる。
ちょっとだけ前に出て手を振ってたら、
グルッと客席を見渡して、
章「、、！？」
最後に彼の視線が私を捉えた。
柊「分かるかな、、(笑)」
私の隣に立った柊さんが、章大くんに向けて手を動かしてる。
『、、手話？』
テレビで見たことある動きで手話だと分かった。
章「、、」
柊さんをじっと見てた章大くんが、パッと2階を見て眉間にシワを寄せた。
その間もギターは間違えることなく弾いてる。
『章大くん分かるのかな、、』
柊「渋谷さんが言ってたの思い出した(笑)」
大学時代、章大くんは手話を習ってたんだって。
私の耳元で柊さんがそう教えてくれた。
柊さんは社会人になってから習ったらしいけど。
知らなかった。
話す機会もなかったからだろうけど、ちょっと寂しい。
渋「こんばんはー、関ジャニ∞でーす。」
３曲終えてMCに入る。
章大くんは、険しい顔をしてからは私達の方を見ることもなくギターに集中してたけど、すばるくんが話してる横でギターを置いて、、
柊「あ、、ふふ(笑)」
こっちに向かって章大くんも手話してる。
『、、何て？』
柊「"Aをお願いします"って(笑)」
『、、』
章大くんが、私達に手を振ってお辞儀してる。
もちろんお客さんの視線は私達の方に向くわけで、、
「誰？あの女。」
「あたし片方は知ってる、章ちゃんの彼女だよ。」
「はぁ？何それ！」
なんて会話が聞こえてきて、
『、、(汗)』
柊「、、」
思わず後退りしてしまった。
そしたら、
渋「あ、そうそう報告ありまーす！」
すばるくんがそう言ってお客さんの視線を自分に向けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3472人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひよりん(プロフ) - 凛ちゃんありがとう！頑張れるっ(T-T) (2019年6月23日 6時) (
レス) id: ce87251b5c (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - ひより、何回読み返しても面白いよ。その度毎に感じ方が違うよ。私は大好きよ。 (2019年6月22日 18時) (レス) id: fb6d980ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - 熊鮭さん» これまで読んでいただきありがとうございます。人それぞれ、価値観や趣味趣向も違うので仕方ないことだと思います。が、、このコメントに関してはただただひよりんが傷付くだけですね(T^T)報酬があればそこに真摯に向き合えるのですが、、(￣▽￣;) (2019年6月22日 14時) (レス) id: ce87251b5c (このIDを非表示/違反報告)
熊鮭(プロフ) - 今まで面白いと思って読んできました。渋谷さんｶｯﾌﾟﾙの話が続いて､え？って思ったりもしましたがどう終わるのか楽しみにしてきましたがお嬢様と和解した形になったときﾃﾝｼｮﾝが下がりました。なので今読むのをお休みしています。 (2019年6月22日 11時) (携帯から) (レス) id: 998ae028aa (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - ハニーレモンさん» うんうん、書きたくなったら続編も考えとくね！ (2019年6月12日 23時) (レス) id: ce87251b5c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひよりん
| 作成日時：2019年4月1日 18時
