自覚 ページ17
大倉さんのマンションの駐車場に車を停めて、近くにあるっていう彼行きつけのバーまで手を繋いでのんびり歩く。
「エリって、そんなキレイな顔してんのにネガティブやねんな(笑)?」
大倉さんがクスクス笑いながら私をからかう。
『自分のことキレイと思ったことはないな、、』
ブスではないと思うけど、って言ったら、
「謙虚!もっと自覚持たなアカンてー(笑)」
俺が心配するやん、って繋いだ手をブンブン振られる。
『自分で自覚するってイタくない(笑)?』
「葛城は自覚してんで?」
この派手な顔が憎らしい、っていつも言ってるって。
『あそこまで突出した美人だと思わざるを得ない(笑)』
華の存在は芸術的だ。
そこら辺のアイドルやグラビアなんかよりもキレイだもん。
「とにかく!これからは、寄ってくる男は100%下心あると思えよ?」
『大倉さんもだよ?』
大倉さんこそ男前の自覚あります?って聞いたら、
「俺あるで?」
『そうなの?』
「おん、うちのメンバー全員男前やし。俺、、」
結構上位やし、って自慢げに語ってる。
『上位って?』
「バンドしてんねん。で、ファンが一番多いのは俺かヤス。」
「へぇ、、」
ドラムやってるんだって。
『見たいなぁ、、』
「あんまり来させたくないけどな(笑)」
『どうして?』
「危険やから。色んな意味で、、あ、ここ♪」
って言葉を濁されて終わった。
『すごいね、、』
外観は真っ黒で、ドアノブに"open"て札がぶら下がってるだけで、バーだよ、って教えてくれないと何屋さんなのか分からない。
「こんばんはー。」
大倉さんがためらいなくそのドアを開けて、私を先に入れてくれる。
『おしゃれだ、、』
内装も、黒を基調として、天井から吊るされた数個の照明とキャンドルが、落ち着いた雰囲気を醸し出してる。
二十歳の私には全く縁のないところだ。
「いらっしゃ、、へぇ(笑)」
カウンターの中にいる、オールバックで銀縁の眼鏡を掛けたおしゃれなバーテンダーさんが私達を見てニヤリと笑った。
大「ビールと、、何飲む?」
『分かんない、、(苦笑)』
バーテン「ワイン飲める?」
『少し、、』
バーテン「オペレーター飲んでみる?」
『はい、、』
白ワインとジンジャーエールのカクテルだって。
『、、おいし♪』
バーテン「その子、特別な子?」
大「そ♪」
バーテン「初めてじゃん(笑)」
大倉さんがここに誰かを連れてきたのは初めてなんだって聞いて、ちょっと嬉しくなった。
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わーぉ(プロフ) - 泣いちゃいました…素敵な小説、いつもありがとうございます!ひよりさんの作る小説が一番好きです!これからも応援してます! (2020年6月18日 16時) (レス) id: 698b54181c (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - めちゃさん» やーん、ありがとうございます(≧▽≦)ひよりんもこの二人大好きなのよー♪頑張りますっ! (2020年3月3日 12時) (レス) id: ce87251b5c (このIDを非表示/違反報告)
めちゃ(プロフ) - テレビでもネットでもコロナコロナと嫌なニュースばかりで、ふと本編を読んでてエリちゃんのお話を読み返したくなりました。私は主人公ちゃん達よりも好きかもしれない二人に久しぶりに癒されました。一気読みしちゃったけど本当にたまに会いたくてなる二人です (2020年3月3日 11時) (レス) id: 135eb95805 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - あしゅさん» やーん、ありがとうございます(σ≧▽≦)σ大人なエリちゃん、ひよりんも大好きです!その後、思い付いたら更新しますね! (2019年9月26日 16時) (レス) id: ce87251b5c (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - エリちゃんとたっちょんの話が好きすぎて何回も読んじゃう(///ω///)その後の話もいつか読みたいです! (2019年9月26日 10時) (レス) id: 0768c9f17f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひよりん | 作成日時:2017年11月26日 14時