fruit of our love (青) 〜追い恋 2nd〜 (10)

ざわつく ページ15

『おかあさーん、ちょっと葉月見ててー。』

母「どこ行くの？」

『お客さん来た。』

母「誰？」

『分かんない(笑)』

私に会いたいんだって、って言ったら、

母「大丈夫なの？」

誰かしら？ってお母さんに心配されながらうちを出た。

『、、誰だ？』

ちょっと身構えて１階で降りたら、

「、、Aさん？」

『はい、、初めまして、、？』

「こんにちは、梶原です(^_^)」

『こんにちは、、』

やっぱり分からない。

「ふふっ、誰？って顔してる(笑)」

『、、お会いしたことありましたっけ？』

何か、、胸がざわつく、、

「いえ、初めてです。」

何だか焦れったい。

『どなたですか？』

「さっき、エイトカンパニーに切られた派遣の梶原です。」

あ、、昨日みんなが言ってた人だ、、

『、、』

「最後に、安田さんの奥さんを拝んで帰ろうと思って(^_^)♪」

『、、どうやってここを？』

どうやって住所分かったんだろ、、
社員証がないとデータは見れないはず、、

「総務の誰かさんがカード落としててね、、(笑)」

クスクスッて、思い出し笑いしてる。

『それ、犯罪ですよ？』

「みんなで私をバカにしたんだからお互い様でしょ？しかも、、」

そんなすっぴんでだらしない姿のあなたに負けるなんてプライドが傷付いた、って、

確かに、最近はずっとタンクトップにハーフパンツで女子力はない。

でも、章ちゃんがそれでいい、って言ってくれたもん。

『出産後はみんなそうだって、、』

「ムカつく、、」

だんだん彼女の表情が強ばってきた。

『、、話ってそれだけですか？』

こんなとこ誰かに見られたら変な噂になっちゃう。
ロビーのお姉さんは休憩中みたいで助かった。

『それだけなら帰らせてもらいます。』

なるべく落ち着いて、頭を下げて帰ろうとしたら、

「うっざ！」

『きゃっ(汗)！』

カジワラさんが私の腕を掴んで後ろに引っ張ったから、

『いた、、(泣)』

思いっきり尻もちついた。

「アンタにはバカにされたくないんだけど！」

『やめて、、(汗)』

なんの努力もしてないくせに！って、私に馬乗りになってきた。

下腹に乗ってるから、圧迫されて痛みが走る。

お昼前のマンションのエントランスは誰もいなくて、この修羅場を止めてくれる人はいなくて、、

『も、、いった、、い(泣)』

「ムカつく、、アンタみたいな女大っキライ！！」

痛みに耐えきれなくて、意識が薄れていくなか、

「退け！クソ女(怒)！」

って章ちゃんの声が聞こえた。

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