追いつけない恋 (青) ⑲ (ページ9)

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尻拭い(青side) ページ9

渋やんから連絡来た時、すぐAのとこ行こうとしたら、

渋「心配すんな、案外ケロッとしとるから(笑)」

って言われて、Aにほんまにいけるんか確認したあと、仕方なく会社におることにした。

亮「どしたん？」

『Aが怪我させれたって、、』

亮「好かれとんなぁ(笑)」

『笑い事ちゃうわ、はよ終わらすで。』

亮「うぃー。」

途中休憩挟もうとしたけど、

亮「休憩ええよ、今ノッてきてるから。」

って亮が早く終わらせようと頑張ってくれて、18時前に会社を出た。

うちに帰ったら、シンとしてて、、

『A？』

ベッドルームを開けたら、小さい顔がガーゼで半分覆われてて、気持ち良さそうに寝てるAがおった。

ちょっと、、いやかなり安心して、ベッドに腰かけてAを撫でたら、うっすら目を開けた。

『おはよー。』

いっぱい寝た、ってはにかんだAに許可を得て傷を見たら、、

こめかみから目尻にかけて、線を引っ張ったような傷があって、縫われてるところはまだ体液が出てた。

抑えてた怒りがムクムク溢れだして、

『警察に入ってもらう？』

って言う、俺のAに向けて話す穏やかな声のトーンと、怒りが込み上がった表情のギャップにAがビックリしてた。

「冗談でしょ？」

本気や。
前回も骨やられてるし。

けど、向こうの出方によっては温情措置を取ってやってもいいと思ってる。

俺からは行かん。
もうこっちから関わるのはごめんやわ。

今日はせっかく早く帰って来れたし、ピザ待ってる間A甘やかしてたら、大倉とエリがお土産持って来た。

Aの傷見て一通り怒ったあと、気遣ってくれてすぐ帰って行ったけど(笑)

ピザ食べて二人でまったりしてたら、

ピーンポーン、、

あー、来たかな？

「誰だろ？」

『ちょっとテレビ見といて？』

テレビの電源入れて、

『はい？』

インターホンの受話器を取ったら、

(こんばんは、刑部です。)

旦那や。
可哀想、いっつも尻拭いさせられとる。

『あー、はい。ちょっと待って。』

チラッとA見たら、不安そうな顔してるから、

『そこおってな？』

って念押しして、玄関へ向かった。

『はい？何？』

夫「この度はうちの息子が奥さんに怪我をさせてしまって、、」

『この度も、な？』

後ろで嫁と子供が立ってて、旦那だけ頭下げてる奇妙な光景。

『俺な、今お前の後ろにおる二人、ボッコボコにしてやりたい気分やねん。』

嫁が、ビクッて反応して顔が真っ青になった。