追いつけない恋 (青) ⑲ (ページ11)

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幸せページ11

メソメソ泣いてるこの人、なんか面倒臭い。

私が一番泣きたいんだけど、、

ライブもあるし、エリちゃんの結婚式もあるし、、

章ちゃんに抱き付いたまま、

『こんな嫁にもママにもなりたくない。ついでにこんな旦那も要らない。』

夫「、、は？」

嫁「、、」

『てか、この子可哀想。』

章「、、A？」

『章ちゃんは最近帰りも遅いし、今日も昨日もお仕事だったけど、、』

章ちゃんが一生懸命働けるように支えたいと思ってる。

『でも、章ちゃんも時間がある時は私に構ってくれて、ほっとかれることなんかないもん。』

それに、刑部さんにはカズくんがいるじゃん。

『子供に心配されるような親になんかなりたくない。』

嫁「何にも知らないくせに、、」

『知らないよ？だから今あなたを見て勉強中。』

絶対あなたみたいにはならない。

『章ちゃんも旦那さんみたいな人に私がさせない。だから、、』

私が素敵な奥さんになるための情操教育上悪影響を及ぼすので、、

『金輪際近寄らないでください。次、またこういうことがあれば、今度は警察に届け出て公の場でディスってやる！』

章「惜しい、、(笑)」

夫「、、失礼します。」

行くぞ、って20代の小娘にけなされて悔しそうに帰っていった。

『章ちゃん？』

「んー？」

私の肩に手をまわして抱き寄せる章ちゃんに、私からも抱き付いて、

『普通、菓子折持ってこない？』

「ふはっ(笑)ほんまやなぁ、、」

『お金持ってそうだったから期待してたのになぁ(笑)』

「俺がいくらでも買うたるわ。」

そう言って顎クイして甘いキスをしてくれた。

『お風呂入る。』

「濡らさんようにシャンプーせな、、」

章ちゃんに、頭だけじゃなくてなぜか体も洗ってもらって、髪の毛まで乾かしてくれるVIP待遇。

『明日からも頑張ろ♪』

寝る前に消毒とガーゼを替えてくれて、章ちゃんの腕の中で眠る。

「ホンマにこのままスルーしてええんか？」

『うん、なんか可哀想になっちゃって(苦笑)』

あの夫婦を見てたら私は幸せだなぁ、ってしみじみ思った。

「俺を支えてくれるんやろ？」

『うん、お仕事頑張ってね！明日もエリちゃんとこで待ってるから！』

「支え方おかしいわっ(爆)！」

って突っ込まれたけど、

「こっちの方で支えてもらうからええわ、、」

私に覆い被さって、ガーゼの上から傷口にキスされて、

「痛かったら言うて？」

『うん、大丈夫(笑)』

こんな時も気遣ってくれる旦那様を持つ私はやっぱり幸せだ。