ずっと一緒 (ページ34)

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サボページ34

サボside

「もう10年か……。」

バルティゴにいる革命軍の参謀総長は、そう溜め息をついた。

10年。

そう、彼が革命軍に入って今日で10年がたったのだ。

といっても現在21歳の彼に入ったきっかけとなる記憶はない。

記憶喪失なのだ。

10年前、大怪我をして瀕死の状態だった彼はドラゴンに助けられ、ここ、革命軍に入った。

その時、何があったのか、わからないのだ。

かろうじて持ち物からサボという名前と、ゴア王国の生まれだとわかったくらいだ。

でも彼はそれに不満に感じていない。

むしろ楽しいのだ。

謎を解いていく感じが。

もっとも部下がいくら関係しそうなものを見つけても知らないの一点張りだったが。

彼がそんなことを考えながら夜空を見ていると、

「サボくん！この人知らない？」

大声がしてつかつかとかわいらしい女性がやって来た。

なんだよ邪魔すんなよと思いつつそちらを見ると、コアラだった。

彼女も革命軍の一員だ。

どれどれ、見ると新聞だ。

写っていたのは、

とても美しい女性だった。

彼女をみた時、胸がキリリと痛んだ気がした。

「ラピナ・Aさんっていうんだって。その人。綺麗な人だよね。」

コアラはサボと一緒に新聞を見ながらいう。

「で、何で俺がこんな偉そうな人を知ってると思ったんだ？」

「その人ね、ゴア王国の人なんだって。

　まあこんな偉い人サボくんと知り合いな訳ないとは思ったよ？

　でも、こんな綺麗な人なら有名だったんじゃないか、って思って。

　どう、サボくん、ラピナ・Aさん、覚えてない？」

チクッ

まただ。

またどこかが痛んだ気がした。

すると、その記事の最後にかかれていた文に、ふと目がいった。

そこには、

「昔お世話になった悪ガキ3人組へ

　あのときはありがとう。

　私もう幸せだから迎えに来なくてもいいよ。

　でも、自分の夢を叶えてね。」

そうかかれていた。

俺は何故か、写真の女性に少し懐かしさを覚えたのだった。