21 甘え ページ21
A「薬研様……」
薬研「いいから、今は俺っちに甘えてな。
落ち着くまでこうしといてやるから。
なんなら、こっちを向いてもたれてくれても構わないんだぜ？」
薬研は冗談混じりに笑いながら言った
薬研「なんてな。じょうだ______」
A「あの、お言葉に甘えてもよろしいですか……？」
薬研「______え？」
薬研の返事を受け取る前に、Aは薬研の方へ向き直り顔を薬研の胸あたりにうめた
反動で、薬研の体は後ろに倒れ、肘かけにもたれる形になる
普段は消極的なAがこのようなことをするのが意外だったのか、薬研は少し戸惑っていた
心なしか、頬も赤くなっている
A「申し訳ありません……。
私自身も、何故このような無礼をしているのかわからないのです……。
それでも今は……この一時だけは、こうしていたいんです」
こもる声で、Aはそう言った
薬研からAの表情は見えない
薬研は最初は戸惑っていたが、軽く笑って、手をAの頭と背中においた
小さな弟たちをあやすように、優しく背中をたたく
薬研「ああ、こうやって甘えてな」
とは言ったものの、薬研の頬は赤く染まっていて、心臓も大きな音をたてている
それを誤魔化すように、薬研は静かに語りはじめた
薬研「……初めてあんたに会ったとき、俺っちは目を疑った。
女だったこともそうだが、一番はあんたの綺麗さだ。
美しくて儚くて、触れてはいけないと思うほど綺麗だった。
“ああ、こいつが噂に聞いていた天女なのか”、そう思った。
あとから来たやつも……三日月でさえ、そう言ってたな。
そんな印象から、あんたは戦えないと思ってた。
いや、正しく言えば、戦わせられないと思った。
こんなにも綺麗を奴を、汚い戦場には連れて行ったらいけない、って。
けど、実際は違った。
あんたは誰よりも強かった。
あんたが部隊にいるときは、誰も誉をとれないほどにな。
戦う姿は凛としてて、いつもとは違う美しさがあった。
返り血で赤く染まっても、綺麗なままだった。
あの時から、あんたは俺っちの憧れで目標になった。
俺っちだけじゃない。本丸全振りの憧れになったんだよ。
もちろん、容姿や強さだけじゃない。
その謙虚な性格も、品のある仕草も、全てが惹きつけられる。
だから、こうやってあんたに甘えられるのは、すげえ嬉しいんだ。
……ん？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仮面を被った猫(プロフ) - とうふうさぎさん» ご指摘ありがとうございます！これからもミスをしてしまうと思いますが、どうぞよろしくお願いします！ (2018年5月27日 23時) (
レス) id: a272e68b65 (このIDを非表示/違反報告)
仮面を被った猫(プロフ) - 妹舞さん» そう言っていただけてすごく嬉しいです！まだまだ未熟ですが、どうぞ暖かい目で見守ってください！ (2018年5月27日 23時) (レス) id: a272e68b65 (このIDを非表示/違反報告)
とうふうさぎ(プロフ) - 4話のところで「シエルは男性恐怖症」ってなってますけど女性ですよね？お話の続き更新楽しみにしてまーす (2018年5月27日 19時) (レス) id: 5da4774cc8 (このIDを非表示/違反報告)
妹舞 - 私の愛してるアプリ二つをコラボ…！そして宣伝！そして内容とてもいい！ありがとうございます！ (2017年12月16日 22時) (レス) id: dffb3f017a (このIDを非表示/違反報告)
月輝(プロフ) - おっふ...薬研ニキイケメンやな.../////((あ、マジカルデイズ名前変えちゃったんです...【ノラのパーカー】です。見つけたらヨロシクお願いします(( (2017年8月12日 18時) (レス) id: d9acc59419 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：仮面を被った猫 | 作成日時：2017年3月6日 20時
