拾漆話 ページ19
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山を越え、海沿いを走り、賑わう街を通り過ぎ、私はやっと目的地にいた。
まだ薄暗さのあった太陽の光は既に燦々と照りつけて来る時間帯になっている。
出来るだけ急いで来てみたが長くかかってしまった。
体力も無限ではないし、やはり遠方からの移動は楽ではない。
目の前の門を軽く拳で叩く。
妙に心地よい音が響き、直ぐに扉は開いた。
「階級甲の甘露寺辛です。本部に迎えとの伝令により参上致しました。」
そう見上げた先には数人の隠の方。
何だかやけに人数が多いような…。
「え、甲隊員の…!?」
「ちょ、お前聞き間違えたんじゃねえだろうな!」
「んなわけあるか!お館様のお言葉だぞ!?」
何やら騒がしくなっていく。
様子が変だし、何か手違いでもあったのだろうか。
「あの、伝令違いか何かでしょうか?不都合があるようでしたら出直しますが…」
そっと言葉をかけると とんでもないです!!と引き止められた。
「少々お待ち下さい!すぐに確認してきますので!」
そう言い、急いだ様子で屋敷の奥へと消えていく。
そこまで焦らずとも とは思ったが、どこか慌ただしさが漂う雰囲気には疑問を抱いた。
通常、本部には警備や報告以外の隠はいない。
人の出入りが多いと鬼にこの場所を知られる可能性が高くなるからだ。
鬼殺隊本部及び、お館様の所在地が鬼側に伝わるなど決してあってはならない。
だから余程のことがない限り柱の方でさえも本部には訪れないと聞く。
そんな本部にこれほど人が集まる理由とは一体何なのだろうか。
「お待たせいたしました辛様。こちらへどうぞ。」
いつの間にか目の前に現れた隠の方がそう告げる。
一つ礼をしてその背を追いながら、私は思考を巡らせた。
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名無し - 辛ちゃんかわよっ! (2020年4月21日 20時) (レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
チロルチョコ - 続きをぉぉ (2019年12月15日 20時) (レス) id: 03d659cd41 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ。@さぶ - めちゃめちゃ泣きました・・・!大好きです!更新がんばってください!応援してます! (2019年7月21日 13時) (レス) id: dcfa07bf42 (このIDを非表示/違反報告)
白波瀬(プロフ) - なーなー@今日俺さん» ありがとうございます。そこまで感動してくださるとは驚きと嬉しさでいっぱいです…!拾陸話からの件、ご指摘ありがとうございます。主人公の名前のことでしょうか?こちらで確認したところ問題ないはずなのですが不具合ですかね…。 (2019年7月7日 16時) (レス) id: 5e8c752928 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺(プロフ) - 何度もすみません。拾陸話からでした。 (2019年7月7日 14時) (レス) id: 17dfab9de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白波瀬 | 作成日時:2019年6月15日 10時