拾肆話 ページ16
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あれから私は文字通り��死ぬほど��稽古した。
新たな育手には習わず、これまでの稽古で教わったことや蜜璃を見て学んだことから独学での稽古を始めた。
そして改めて知る。
私は炎の呼吸を扱いこなせないということを。
蜜璃は炎の呼吸に必要なことを会得し、その派生として恋の呼吸とやらを身につけた。
私はほとんど何も会得できなかった。
必要とされる条件が体質と違いすぎていたから。
だから炎の呼吸も恋の呼吸とやら使えない。
…なら、その蜜璃が生み出した呼吸と正反対の性質であれば？
そこからは逆転の発想だった。
彼女の使う恋の呼吸の特徴を反転させる。
柔い太刀筋ではなく硬い太刀筋を意識。
今まで扱ってきた長めの刀身を短く。
華奢な体を活かして敵との距離を詰める戦い方を。
体をしなやかに使えない分、俊敏に動けるように。
勢い良く地を蹴り、軽い自身の体を翻し、敵の頚に向けて殴るように刃を叩き込む。
恋の呼吸からの派生でありながら、正反対の性質を持つ呼吸。
我流、哀の呼吸
これが呼吸として成り立ち、型が確立するまでに数ヶ月費やした。
本来ならたった数ヶ月で というべきなのかもしれないが、私には猶予がなかった。
蜜璃が最終選別に合格したと聞いた時から、次の最終選別までに必ず力をつけるのだと決めていた。
最終選別まで残り一月に迫ったとき、母からあるものを手渡された。
「これ、あの方からよ。」
私への贈り物？
そんなことをするような知人、いただろうか。
そもそも知人なんていたっけ？
そう思って風呂敷を広げる。
中には、真剣が入っていた。
淡く赤色に染まった刀。
すぐに分かった。
師範の刀だ。
「鬼殺隊に入隊した頃使っていた刀なんですって。当時は通常より短めの物を使っていたから辛にも合うだろうって。」
短めだから、って…
あれから一度も師範と話していないのにどうして私が刀を変えたことを知っているのだろう。
…嗚呼、今更気がついた。
師範は最初から私を剣士にするために突き放したんだ。
私に恋の呼吸が合わないことを知っていて。
私が1人で我流の呼吸を生み出せると信じて。
全て、師範の愛だった。
それを知らずに私は…
ごめんなさい、師範。
ありがとうございます。
師範の思いに応える為にも私は振り返らない。
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名無し - 辛ちゃんかわよっ！ (2020年4月21日 20時) (
レス) id: e0a13cc95c (このIDを非表示/違反報告)
チロルチョコ - 続きをぉぉ (2019年12月15日 20時) (レス) id: 03d659cd41 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ。@さぶ - めちゃめちゃ泣きました・・・！大好きです！更新がんばってください！応援してます！ (2019年7月21日 13時) (レス) id: dcfa07bf42 (このIDを非表示/違反報告)
白波瀬(プロフ) - なーなー@今日俺さん» ありがとうございます。そこまで感動してくださるとは驚きと嬉しさでいっぱいです…！拾陸話からの件、ご指摘ありがとうございます。主人公の名前のことでしょうか？こちらで確認したところ問題ないはずなのですが不具合ですかね…。 (2019年7月7日 16時) (レス) id: 5e8c752928 (このIDを非表示/違反報告)
なーなー@今日俺(プロフ) - 何度もすみません。拾陸話からでした。 (2019年7月7日 14時) (レス) id: 17dfab9de5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白波瀬 | 作成日時：2019年6月15日 10時
