【ｄ！】死んだけど、成仏できないので働きます。 (ページ23)

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第六十五話ページ23

shp「…完全に」

ー仕留めるー

バンｯと綺麗に静かに響く余韻。

その玉は全て急所に当たり、とても綺麗なフォーカスで一瞬の出来事だった。

ut「うん、前よりは良くなったやん。
　でも音立ててるのはいただけへんな〜」

shp「どうやったら音ならんのですか」

ut「銃を持つ時にこうして〜」

このスマートな動きを指導し指導される二人は様になっていて、さすが幹部だなぁと圧巻する。

隣であんぐりしながら何してんだよこんなところでとボソッと話しかけてきた兵士をフル無視して

うんうんと笑顔で頷きながらそのまま壁をすり抜けてその場を離れた。

ひょーいっと屋根の上に上がり座る。

時は早いもので、もう夕暮れになっていた。

綺麗な夕焼けに身を包まれながら、夜が来る風を胸いっぱいに吸い込み呼吸する。

ここは見晴らしがいい俺の最近のお気に入りだ。

我々国や城下町がよく見える。

綺麗な街並みに草木花で装飾された色とりどりの街道。

笑顔で接客したり友達と遊ぶ子供と大人。

本当にこの街は治安が良く幸せで溢れている。

そのトップで働く彼らは出会ってきた誰よりも物騒で頭飛んでる人たちだけど、

それでもやっぱり優しい一面や面白いところがあったりして俺は好きだ。

街の人たちが兵士に対してもまるで英雄のような反応をする理由が頂けるな。

『この時間が、ずっと続けばいい。』

でも、幸せは長くは続かない。

『だから彼らは、自らを戦場に投じませ幸せを掴むんだ。』

あと少しで開戦されるQ国の戦争、絶対に

『勝つ』

笑い声が聞こえるこの街…いや、この国で

一滴の血も涙も流さぬよう彼らは今日も訓練し、俺はそんな彼らを好き働くんだな。

『ずっと続きはしないからこそ、大事なんだし。』

すく、と立って背伸びをする。

夜風がきもちぃな〜と思いつつ、夕飯の時間だから戻る。

いや食べらんないけどね。うん。たべらんないんだけど。

せもせめてメニューは見たいｯｯｯ！！ここの飯むっちゃうまそうやねん‼︎！！！！！！

一人で拳を握りしめながら今日も目の前で美味しく飯を食う彼らにちょっぴり呪念を送りつつ

日々を過ごして………………。

でん。

Q国との戦争が無事始まりました。

戦況はまだ五分五分、あっちも我々国が仕掛けてくるとわかっていたらしい。

逃げるも媚びるもせず戦うことを選び、兵士を用意していたQ国。

さすが、我々国に喧嘩をうるだけ並みの馬鹿ではないみたいだな。